大河ドラマ

あったことをなかったことにされるというのは、よくあることだと思うけれど、それを親にされるというのは耐え難いものだと噛み締める。

人生初、大河ドラマを見ようと思って見ている。
後に紫式部となる人が母親を殺された設定になっており、母を殺した相手が父の仕える人の子であったという設定なので、父はこの殺人を隠蔽することにし、紫式部は父の判断を許せないままに長じる。と。
新参者の大河ドラマ視聴者なので、この自由な設定自体を面白く見ている。
Xで#光る君へを見てみると、史実と違うと熱弁する人、『あさきゆめみし』や『源氏物語』を思い出す人、ドラマにご出演の俳優さん達もドラマの動向、視聴者の反応を受けてポストしてらっしゃって面白い。
紫式部の母を殺した設定になっている人(道兼役の玉置玲央さん)、花山天皇の退位でも暗躍するのだろう。悪役を一手に引き受けたかのような。道兼もまた、親に命じられて意に沿わないことをする点が紫式部と共通している。どちらも父親。

父親は子どもを翻弄するものなのだろうか。
では、母親はどうなのだろうか。

母親もまた子どもを翻弄するものだろう。
父親が除目で官職から外れ続けているために、生活が困窮し、紫式部の母親は自分の着物を生活のために売る。よその女の元へ通う夫を見過ごす。後の紫式部である少女はそれをうまく飲み込めない。母はいずれ分かるという素振りで少女の疑問をやり過ごす。

少女が素振りを真似るだけでは物語は書けないだろうから、この少女は大人になって「分かった」ということなのだろう。ただ違和感を持ち続けていたのだろう。幼少期から見聞きしてきたことが筆に乗って溢れ出したと。それが『源氏物語』なのだと。そんなふうに楽しめば良いのかしらと新参者の大河ドラマ視聴者は思っている。

位の高い貴族だけでなくさまざまな身分の人達が入り混じっているのも面白い。装束も歌や芸能も面白い。

『源氏物語』は好きだけど、紫式部は苦手。
食わず嫌いで日記を読んでこなかったが。読んでみようか。

🤍

数ならで心に身をばまかせねど身にしたがふは心なりけり
…数にも入らない私なんだし、心のままに自分の人生を委ねることはできないけれど、その人生に翻弄されてしまうのも私の心だったな。

切ね。
可哀想なんだよなこの人。
でもやっぱり、読もうかなと思いますこの際。

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