『 ただ歩く 』(おまけ編)#シロクマ文芸部
*夏
ただ歩く。
いつもの河原沿いの遊歩道。
自転車で適当なところまで走って、下りて歩く。
右手にはハンドルを持つが歩くのに何の妨げにもならない。
歩いている時、自転車は右に位置するただの空気だ。
ただ歩く・・・
夏日は暑いがこれも自然の恵みと歩く。
空も雲も景色も夏の顔色で元気そうだ。
同伴する川では白い水鳥が涼んでる・・・
水も澄んでいて鯉たちも元気そうだ。
おっと、前のご老人たちに追いつきそうだ・・・
自転車に乗り、人のいない位置まで走らせる。
自分だけに開かれた道で下りて、ただ歩く・・・
歩くのに目的はいらない。
ただ歩く・・・
2㎞くらい歩くと歩くことに慣れた脚が不意に軽くなる。
更に歩けと脚からの指示でただ歩く。
見慣れた景色だが季節の色合いが心地いい・・・
水分補給。汗をぬぐう。歩く。
あっ、また前方に人だ・・・自転車。
風を受け疾走した自転車に合わせて顔に虫の直撃☆
眼でなくてよかった。
解放区で下りて歩く。
ただ歩く。
何かを思いついても
歩くことのBGMでしかない。
ただ歩く・・・
主役は脚で王様なのだ。
人も自転車もお供に過ぎない。
ただ歩く・・・
いつしか
夏日の遊歩道を
えっ?
前方を・・・
脚だけが歩いてゆく・・・?!
【おしまい】
*ただ歩いただけでした。申し訳ありません!😅
*こちらに参加させていただいてます。
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