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想像力は努力の2乗の強さがある|努力・忍耐・根性は、もう要らない!


1.はじめに

この世界はあらゆる法則の上で成り立っています。
それは自然界に限らず、日常の中でもさまざまな法則で満ち溢れています。時間に関する法則、割合に関する法則、ビジネスの世界でも戦略やマーケティングに関する法則など、さまざまな分野で法則が用いられています。
スピリチュアルな世界でしたら、引き寄せの法則や、因果の法則などが有名ですよね。
法則とは必ずそうなるとは言い切れませんが、一定の条件の下で成り立ち、その法則に従うことで良い結果に導かれることが多くあります。
みなさんは、エミール・クーエの法則をご存知でしょうか?
この法則は、自分自身をコントロールする意志力よりも、イメージをする想像力の方が強い力を持っていることを示す法則です。

この法則を知ることで、心の豊かさに繋がる想像力の大切さを実感することができます。
今回は、困難の克服、エミール・クーエの法則についてご紹介します。

2. エミール・クーエ氏



あまり聞きなれない法則、エミール・クーエの法則をご説明する前に、この法則の提唱者であるエミール・クーエ氏についてご紹介したいと思います。
エミール・クーエはフランスの精神科医、心理学者、薬剤師としても活躍し、「クエイズム」と呼ばれる自己暗示法の創始者です。
(Émile Coué/1857年2月26日-1926年7月2日)

クエイズムとは、マイナスの言葉を排除するだけで、痛みに苦しむ患者さんの状態が救われるという暗示療法です。

「痛みは消える、消える、消える…」と言葉を繰り返すだけで痛みを取り除くことができるというものです。
単純な暗示の力だけで痛みを取り除き、結核やガンに至る病さえも完治させたことで世界的に有名になり、暗示療法の先駆者となりました。
暗示療法と聞きますと、何だか一気に胡散臭さを感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、暗示こそが病気に限らず、人生で味わう困難を上手く乗り越えることができるとクーエは伝えています。
そのエピソードとして、エミール・クーエ本人の実体験を一つご紹介したいと思います。

3.クーエの体験談



クーエはフランスの北部にあるトロワで、薬剤師として30年間勤務していました。

ある日、クーエのもとに一人の男性が訪れました。
その男性は、欲しい薬があるので買いたいとクーエに言いました。

クーエはその薬を確認したところ、在庫はあったのですが期限切れで変色もしていたために、販売することをお断りしました。

ところがその男性は、「その薬は効果があるんだ!ぜひ売って下さい」と懇願しました。

必死に訴える男性にクーエは折れてしまい、「責任は取らない」という条件で販売することにしました。
そして数日後、クーエのもとに再びあの男性が訪れてきました。
男性は、「あの薬のおかげで病気が治りました」とお礼を述べたのです。
クーエはとても驚きました。

なぜ、このようなことが起きるのかとても疑問に思い、薬の効果ではなく、別の力が大きく働いているのではないかと考えたのです。

それは、科学や物理といった枠を超え、人の思いというものが関係しているのではないかと考えたのです。

この考えをもとに研究し、クーエはたくさんの患者を回復させ、クーエ療法という自己暗示療法を確立させ、世界的に有名になっていきました。
(自律神経訓練法としても確立した)

4.エミール・クーエの法則


クーエはこのように語っています。
この言葉から、想像力は意志力に勝るという法則を「エミール・クーエの法則」として、世界中で知られるようになりました。
ここからはこの法則を、もう少し掘り下げてお伝えしたいと思います。
クーエは意志力と想像力に関する法則を次のように提唱しています。

この法則は、努力逆転の法則とも呼ばれています。
頑張れば頑張るほど、その努力とは反対の結果になるという法則です。

想像力は意志力に勝るという例えを一つあげてみましょう。
みなさんの目の前に幅60㎝、長さは5mの木の板があるとします。

木の板を地面に置き、板からはみ出さないように歩いて渡るイメージをしてみましょう。
途中で自分の足元を確認することがあるかもしれませんが、たやすく5mの板を渡りきることができるかと思います。

ではこの板を崖から崖へと移る橋として渡ってみましょう。
一歩一歩足元を確認し、体全体でバランスを取り、「強風が来たらどうしよう」そんな恐怖を感じながら、板の上を歩く、もしくは渡ることができないのではないでしょうか。

同じ大きさの板の上ですが、地面に置いた板と崖の上の板では感じ方が全く違います。
この時、どんなに頑張って渡ろうとする気持ち(意志力)があっても、板から転落してしまうかもしれないという恐怖心(想像力)が勝ってしまうのです。
つまり、どんなに努力をしてもイメージする力の方が強いために努力とは逆の結果が現れてしまうということなのです。
このような現象をエミール・クーエの法則、または努力逆転の法則といいます。(※意志力と想像力が相反した場合に限ります)

5.想像力の重要性


クーエは「この法則は、重力や引力の法則と同様に不変である」このような言葉を残しています。
想像力は、なぜこれほどにも重要なのでしょうか。
人間は意志力と想像力によって行動を起こします。
クーエは、この意志力と想像力が衝突した時に、想像力が勝ると断言しています。
想像力とは五感で感じる感覚を頭の中で描くことをいいます。
想像力を利用して暗示をかけることによって、不安感や恐怖心の払拭、また、苦手意識を克服することもでき、苦しみを多く抱えた人生を乗り越えることも可能なのです。
特にクーエは、ポジティブな言葉を繰り返し発することで暗示をかけ、多くの患者さんの痛み、そして、病自体も改善することに成功しています。
クーエの暗示療法では、痛みに苦しむ患者さんに
「痛みは消える、消える、消える…」という言葉を繰り返し聞かせました。

ここで重要なことは、「痛みは消える、痛みは消える…」ではなく、「痛みは消える、消える、消える…」と繰り返すのです。
「痛み」という言葉はネガティブを強調する言葉ですので、「痛み」ではなく「消える」という言葉を強調し暗示をかけるのです。

ちょっとした言葉のかけ方で、良くも悪くも暗示をかけることはたやすいことであり、その効果も病を完治させるほどに絶大なものなのです。
また、良い想像をするには、良い精神状態が必要です。
良い精神状態とは、気分がいい状態をいいます。
強い不安や恐怖で大きなストレスを抱えている方は、一度、心を落ち着かせる必要があります。
「今日からポジティブ思考になって下さい!」このように押し付けられても、かえって逆効果となり、さらに大きなストレスを生んでしまいます。

想像力を働かせることで自己暗示をかけ、病に限らず、自らの精神状態を整えることで、誰もが困難を乗り越え、豊かな人生を送ることができるのです。

6.まとめ

いかがでしたか?

クーエはこのような言葉を残しています。
一昔前までは、努力・忍耐・根性…このような言葉を叩き込まれて、苦しいことを乗り越えてきました。
「努力は嘘をつかない」「努力してこそ結果が得られる」確かにその通りかもしれません。
ですが、精神性が高まりつつある、これからの時代に、このような観念はそぐわない時代が来ているのかもしれません。

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