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昼下がりにカレー食った

急遽、カレーを食べに行く用事が入り、店を人に任せることにした。
任せると言っても、店番してもらうわけではなく、違う店の利用の合間に待機所として使ってもらうという
謎の利用をしてもらうことにした。
カレー屋に行く前に店で待つことにしたのだが、結局、現地集合となり、待ってる間、ギターをいじってて指が痛くなっただけだった。

カレー屋は谷中にあって、久しぶりの訪れとなった。観光客が増えたりと変化はあるはずなのに昔からある街並みだと思わせる作り。
よくできてるなぁと思うし、別に生まれ故郷でもなんでもないんだけど、懐かしいとすら思える。
なんというかよくある刷り込まれた日本の原風景みたいなものってここじゃないかと思う。

谷中のカレー屋はダージリンという所であり、店内はインドっぽいもので埋め尽くされてる。
別にマハラジャで出迎えられたりはしない。
だけど、あとから人が来るから待たしてほしいと言ってとき、店長らしきインド人の表情が怪訝になり、

「予約ね。え、してない。……なら、そこで待ってて」

と言われ、待合所にしてはやたらと目が痛くなるような装飾が施された場所で待つことに。
外国の人特有の彫りの深さで怒ってるのか普通なのかわからないいかつい顔つきのせいで、
不安と恐怖をうっすら抱いた。そうならないためにもマハラジャを踊って怖がらせないようにしてたのか。
しかも、最悪なのが、あと1人来るのか2人来るのか事情により、はっきりせず、返事が曖昧になってしまった。
あぁ、頼む。マハラジャ踊ってくれ。何ならこっちは阿波踊りをする。いや、できないから勘だけど、そもそもマハラジャって何?
日本でいう所の敦盛くらいの認識しかない。

1人で緊迫感に包まれながら、ようやく1人来てくれて、もう怖いから先に食事しようと促した。
デカい窯の中で、マハラジャ指導を受けるかもしれない。怒ってるかわからないインド人は怖い。
たまたま奥の多く座れる席が空いてたので、そこを通された。

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相変わらずギンギンの装飾で目が痛く、待合所よりさらに黒魔術っぽいテイストになっており、
ライトは呪いの像のようだし、渡されたメニュー表は古代魔術が記された禁書のようなデザインだった。

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人数もわからず、スタッフを待たせ、その間、待合所を占拠したのにこんな豪華なところに通されたのが逆に恐ろしかった。
もしかして、俺たちは食べられる側なのか…?

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不安をよそに、出てきたカレーはよくできてて美味であり、風味も香りも抜群だった。
ちょっと地元やチェーンじゃ食べられない高級な味がした。
そこに遅れてもう1人来て、全員揃った。店員さんが早速オーダーを取りに来たが、決まってないからあとでねと気楽に待たせてしまった。
頼む。遅れたんだからオーダーくらいは早く頼んでくれ。俺がタンドリーヒューマンとしてテーブルに出されたらどうするんだ。
絶対に怒ったらインド人は怖いから。本当にインドかは不明だが。

もしゃもしゃ食ってボーっとしてたら、急に店長さんらしき人が英語でスピーチを始めている。
全く分からないが、英語のわかる連れが「あれはツイートみたいなもんでなんかの説明とかでもなく意味はない」と言ってて、
さらにわからなくなった。この辺りは怖くないが、単に奇妙なので、ちゃんと解説が欲しかった。
あと、この英語の分かる連れが店に着いた時に英語で説明したのに、英語が分からない感じになってたのはこの時に英語を話してる店長らしき人だ。
みんなの意見では、インド人こういうところあるからねという意見と拙いながらも日本語で案内してるのに日本人が急にうまいかわからない英語で返してきて困惑したかのどちらかだということだったが、俺にはどっちともわからず、何も解決せず、迷宮入りしている。
ここは日本で合ってるよな?何か姿形の似た流行りの異世界とかじゃないよね?この日は全てがズレてた。全く感覚と常識が通じない。言語も通じない。

それから割と早めに注文が決まって、目の前にはタンドリーチキンが出てきた。良かった。これでライスだけ頼んだら、チキンの代わりにされるところだった。

料理はおいしいし、機嫌もみんなよかったので、最終的にはいい感じだった。
あと店をバカみたいに開け続けてる俺の慰労会ということで食事代を出してもらってしまった。ありがたい。

この後、谷中の商店街を案内してもらった。ちょこちょこホテルができたりして、観光地っぽくなってるもののチェーン店とかはなく、
地元のお店で栄えていて、とても地元色を感じられた。惣菜からお酒まで何でもおいしそうだった。
商店街が若干、謎の権利と絵本を売り飛ばす人に魂を売ってるのが気になったが、活気があるし、情緒もあって何よりだった。

バーやボードゲームカフェもあり、何となく受けた印象を参考にした。

谷中のバーにも案内で行くことになった。
そこには一度行ったきりでそれから行けてなかったのだが、行けてよかった。
店内には猫がいて、この日は客席で丸くなってくつろいでいた。
趣味の一つに猫を見つめるというのがあるので、思う存分見つめた。ついでに触った。
もう難しい話をできる知力と余力は残ってなかったので、本能に生きてる生物を見つめ、癒される。

なるべく気持ちよくなりそうなところを撫でた。割と猫と気分によって触ってほしいところは違うので、
ちょっとずつ触って、機嫌を伺った。途中で別の人も触りだして、猫もうんざりし始めてきた。
少し触るところが気持ちいい場所とズレてたので気になってたが、案の定猫は床に降りて転がりに行ってしまった。
しばらくして、追いかけたけど、もうダメだと言わんばかりに本棚の上に行ってしまった。
インド人の機嫌よりもはるかに難しいな。この猫はゆっくり頭をなでるのが正解でほどほどにしないと嫌がる。
ここでは油断して引っかかれてしまった。カレー屋は無事に帰れたのに、ここでは狩られてしまった。

それからまた自分の店に戻るため、早く店を抜け出した。帰ってしばらくすると来店があった。
とてもにぎわったが、人に愛されるのは難しいし、求めると逆に傷つくこともあるんだなぁと腕のひっかき傷を見て思った。

読んでいただき、ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。 ところでこの「さぽーと」って何ですかね?神が使う魔法かなんかですかね??良くわかりませんが、これ使う人は人間以上の徳がある人なんでしょうね。