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理知を継ぐ者(27) 続・差別について①

 こんばんは、カズノです。

【前置き】

 山本が問題視したのは「ヤレる女子大学生RANKING」でした。でもそれはページの4分の1にも満たないもので、そもそも記事でもコラムでもない図表です。その図表の載った「ヤレる[ギャラ飲み]」特集で見れば、16分の1にもならない構成です。おまけに同特集が「ヤレる」としているのは「女子大学生」ではなく「女性全般」です。
 なぜそれで「ヤレる女子大学生RANKING」だけを問題視するような、不恰好な抗議になってしまったのかは、もうみなさん見ている通りです。

「(SPA!同誌を見たのは)発売されて数日経った2019年の1月に、Facebookで友人がシェアしているのを見たのが最初…」「…署名ページは記事を目にしたその日のうちに立ち上げました。」
 たぶんこの友人がシェアした記事が「ヤレる女子大学生RANKING」だけだった、ということですよね。なので記事全体を見ずに「ヤレる女子大学生RANKING」だけを山本は問題にしてしまった。そういう抗議文をその日のうちに立ち上げてしまっていた。

 たぶんそういうことだと思いますが、それでも、山本はその後にその記事全体、SPA!誌の号全体に目を通したはずです。「全体に目を通している」ことを窺わせるインタビュー記事も当時あったように思いますが、そもそも、うっかり先走ってしまったのだとしても、その後に全体を読んでいなければ論外です。
 なのでここからは、山本は「ヤレる[ギャラ飲み]」記事全体を読んでいる、という前提で話します。
 なぜ山本は「ヤレる[ギャラ飲み]」全体を読んでもなお、「ヤレる女子大学生RANKING」だけを問題にしつづけたのか? という話ですね。

【なぜ山本は「ヤレる女子大学生RANKING」だけを問題にしつづけたのか?】

 と、疑問符にするまでもないでしょうか。それってどう考えても、
・「ヤレる[ギャラ飲み]」全体を問題にしちゃうと、都合が悪いから
 でしょう。

 もういっぺん引用してみましょう。このページの右側の、このあたりです。


 ここで「カリスマ女子大生」とか「ひとみんて誰?」とか紹介されている、この女性が曲者です。
 なのでまず、この『ひとみん』を追ってみましょう。

 *

 さて彼女自身の自己紹介によれば、この女性は、
「どうせ会うならお金持ちがいい…」
「知り合った会社社長たちから…セッティングを頼まれるようになり…」
「今では毎晩飲んでる…」
 ような女子大学生のようです。

「ひとみんはSNSで常時ギャラ飲み参加者を募集しており…」(SPA!誌)
「私のギャラ飲みに参加するのは女子大生…、アイドルや芸能界志望の女性も…」
「一回最低1万円のギャラを渡し…」
 ている。要は「ギャラ飲み幹事長」というところでしょうか。

「──ギャラ飲みで知り合ったあと、パパ活に発展するか否かは、個人の判断に任せているという。」(SPA!誌)
「かわいい女のコのほうが案外お持ち帰りしやすかったりします。」
「パパ活したいコとパパを引き合わせるため“三者面談”することもよくあります」
 昔でいう「やりてばばあ」というやつかも知れません。
 ちなみに「パパ活」とは要するに「愛人契約」、「お持ち帰り」とは「会の途中やあとに個別に女性を連れ出し、その日のうちにセックスに持ち込む、男性の行動」という意味の隠語です。まあ説明の必要はないと思いますが。そういうことが当たり前に行われている場に入り、いつか取りまとめ役になっていたのが『ひとみん』だということですね。
 SPA!誌による紹介文も見てみましょうか。

「都内の大学に通う薬学部5年の現役女子大生。西麻布や六本木で毎晩のようにギャラ飲みを開催。お金持ちとかわいい女のコがすき」(SPA!誌)

 これまでの文脈から、この紹介にある「かわいい女のコがすき」とはつまり、「かわいいコのほうがその日のうちにセックスまで持ちこめる率が高いです! そういうコが私は好きです! 男性のみなさん、そういうコを私は揃えますよ!」という意味です。

「クル-ジングパーティをした際には、船上で男性が1万円札を豆まきのようにバラまいて遊んだんですが、そのときは男性も女性も相当盛り上がりましたね!」

 この女性を、どうすれば軽視せず、蔑視もせずにいられるのでしょう?



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