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HOT RADIO STATION ’85

ラジオとの出会い


 ボクは、とにかくラジオが好きなんです。
 
朝晩の通勤時、昼休み、掃除中、リラックスしてる時間。
いつもイヤホン越しにradikoが流れています。
毎週欠かさず聴いている番組(伊集院光のタネ、月曜JUNK、オードリーANN、ラジオビバリー昼ズ、J-WAVE「BEFORE DOWN」他多数)をチェックする他にも、エリアを〔東京都〕に設定して各局をザッピングしたり。
 
ボクは、いつからラジオにハマったのだろう?
ルーツを辿ると中学・高校時代に行きつきそうです。
 

ラジオ好きになったきっかけ


 80年代中盤、福岡で暮らす中高生たちにとって、夜にラジオを聴くことが当たり前の時代でした。
 
ブームをけん引していたのは、21時台から流れている2番組。RKBラジオの老舗番組「スマッシュ11(イレブン)」とKBCラジオのPAO~Nパオーンぼくらラジオ異星人」。両番組は聴取率で激しくしのぎを削ってましたが、ボクは断然「PAO~N派」でした。

PAO~Nの記念本出てたんですね


部活を終え帰宅、オフクロが準備してくれる晩飯を平らげ、机に参考書を広げてみるものの結局ゴロンと横になる至福の時間。とりあえずラジカセをONしてチューナーをKBCの周波数「1413」に合わせます。

「PAO~N」は21時からの放送。特にお気に入りだったのは、月曜と火曜を担当する「沢坊(さわぼう)」こと沢田幸二アナウンサーの担当回。明るくバカバカしく時には毒を吐きながらも盛り上げ、深夜0時半の放送終了時にはAORの名曲『ベイビー・カム・バック』をバックに、「バイバイ」の一言で静かに締める。
 
それを聴くと、「ああ、今日も一日終わるのだな」といった感傷と、近くに迫った定期テストへの憂鬱、受験への不安、片思い相手への思慕・・・そうしたものが一体になって押し寄せてきて、部屋の中がシーンと静まり返った気分になったものです。
 

また、あるときは友人U君の誕生日を祝うコーナーにハガキを出したことがありました。担当DJから誕生日を迎えた本人に直接電話があり、お祝いメッセージとリクエスト曲を贈ってくれるコーナーです。幸運にも採用されたときにはビックリしました。突然の電話に緊張する友人の様子が可笑しかったことを覚えています。

ボクがU君にプレゼントした曲は、彼が好きだったプリンスの「I Would Die 4 U」でした。もうかれこれ40年近く前のことです。ああ、あのとき「サイン盛り」と番組表、送ってもらえばよかったな。
 
 https://www.youtube.com/watch?v=hkNl3pq1twE


ラジオDJデビュー

 
高1の時、クラスにH君という男子がいました。あるとき、担任のパワハラ極道教師Kがホームルームの終わり際に突然H君を名指しし、

「きさーん(貴様)、ラジオのDJをしよるてな!自分の部屋にアンテナ立てとうとや?!」

と絡み始めました。日頃から大人しく寡黙だったH君は「はあ」と力なく答えましたが、嵩に懸かるようにヤクザ教師Kは

「ラジオのDJもヨカばってんくさ、テストの点下げんなよ、きさーん」
と言い放ち去っていきました。
 
その後、H君が我々ラジオっ子による質問攻めを受けたのは言うまでもありません。よくよく話を聞くと、個人でコツコツと送信機やミキサーなどの機材を集め、ついにミニFM局を開局としたとのこと。

個人でラジオ放送をする場合は、発信する周波数の強さや範囲などについて法律を順守する必要がありますが、彼はそういった知識もあり準備段階でしっかりクリアしていました。また、自ら企画、ディレクション、演者をこなし定期番組の制作も頑張っているとのこと。
 
勿論ネットなどない時代ですから、番組告知のすべが無く、結局誰が聴いているのか、それとも誰も聴いていないのかがサッパリ分からないのが悩み。それでも自分で番組作りするのは楽しいしやりがいがある、とイガグリ頭のH君は澄んだ瞳で話してくれました。
 
「H君、俺達もカテてよ(仲間に入れてくれ)」という我々の厚かましい願いに、彼は頬を赤らめて「いいよ」と言ってくれました。ボクらの声が電波に乗ってみんなに届く。片思いしてるあの娘にも。沢田アナみたいな人気DJになれるかもしれない・・・。
 
高揚する思いを抑えつつ、土曜日の午後にH君の家へ集合しました。お邪魔したメンバーは4人。うち一人は「PAO~N」の名物コーナー『わけありベストテン』の常連で、知る人ぞ知る有名人。彼の新作を本邦初公開することがキラーコンテンツとなるのではないか。ボクは密かにそんな期待も持っていました。
 
H君制作の番組名は「HOT RADIO STATION ’85」。彼が渡してきた台本の内容はほとんど覚えていません。ただ一つだけ言えるのは、リスナーからのリアクションが全く無かったこと。アイドルのパウチカードをプレゼント用に準備しましたが、応募はゼロ。これには落胆しました。もっともH君は「いつものこと」と気にも留めてませんでしたが。

スタンドエフエムをやってみた


さて、それから永い月日が経ちました。いつものようにnoteを閲覧していると、「スタンドエフエム」なるアプリで音声配信を行っている方をよく見かけるようになりました。
 
このアプリを使うと誰でも簡単に配信ができる、との紹介文にほだされて早速ダウンロードして録音にトライしてみたところ、本当にカンタンでした。BGMを付けたりも出来るし、編集機能も充実していて使いやすいですね。

肝心の内容はカミカミでグダグダ。ラジオパーソナリティの皆さんがいかに凄いかを改めて痛感しました。今も昔も自分の声を聴くのは恥ずかしいし苦手ですが、これからも細々と続けていこうと思います。
 
もし、「聴いてやってもイイよ」という慈悲深い方がおられましたら、 ほんの一度でいいので、寄ってみてください。

https://stand.fm/episodes/662700a379085f8ad9e27e60

 



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