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不思議な話25 「昔の家」

 幼稚園から20歳まで住んでいた家は、生まれてからはじめて引っ越ししたお家です。

 それまでは、6畳間が二部屋と台所、ぼっとん便所、お風呂なしのお家でした。

 そこが嫌で母が、何度も応募してやっと当てた府営団地です。

 5階建ての4階の角部屋でした。

 近所付き合いもしっかりあり、昭和の古き良き時代がガッツリあるところでした。

 間取りは3DKで水洗トイレ、お風呂つきという夢のようなお家でした。

 玄関を入って右側に兄妹の子供部屋、正面は家族の寝室、左側に廊下が続きダイニングと台所と右側に居間があり、キッチンの左奥にトイレとお風呂、キッチンと寝室にベランダがありました。

 はじめての兄妹一緒とはいえ、子供部屋をもらい兄は勉強机も買ってもらいました。

 その夢のような家では、いろいろなことがありました。

 怪現象もその一つです。

 家族4人で寝ていた時の出来事です。

 その時、私と兄が遊んでいてふすまを破ってしまったため、ふすまには廊下が見える穴が空いていました。

 夜中に目がさめてしまった時、居間の方から足音がします。

 家族は寝室にそろっています。

 なのに足音が聞こえてくるのです。

 起きて見に行く勇気はありませんが、やめればいいのにふすまの穴から目が離せなくなりました。

 そして、足音が廊下の方に足音が移動し、廊下を歩く足音が寝室に近づいて来ました。

 確実に足音は近づいていますが、姿は見えません。

 そして、足音が寝室の前で止まったところで、子供の私は恐怖の限界でした。

 父の布団の中に入って、震えていました。

 そして、知らない間に眠ってしまいました。

 父からは寝相が悪いと、朝から笑われましたが、夜に体験したことは誰にも話すことは出来ませんでした。

 あれは何だったんでしょうね.

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