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谷中銀座商店街 Back to 20131205

東京で活気のある商店街の1つである谷中銀座商店街。「地元のお客様と観光のお客様」の二兎を追う挑戦を始めたのは10年前です。当時の理事長である杉田浩理事長の打ち立てた方針です。
このとき東京都中小企業診断士協会から派遣されていた私は二兔を追う戦略についてを杉田理事長と議論を重ねてました。小さなお店は顧客を絞り対応していくのがセオリーであることをお伝えしたうえで、最終的には「両方のお客様に対応していくことが難しいのなら、あえてその困難に挑戦してみよう」と杉田理事長が決断しました。トップとして明確に考えを打ち出し素晴らしかったです。理事長、カッコいいなと思いました。
ちょうどこの頃、商店街ニュースに記事を書く機会があり、二兔を追う戦略について紹介しました。この戦略を多くの人に知ってもらい、記事が商店街の応援につながれば良いとの思いで執筆しています。

商店街ニュース 平成25(2013)年12月5日 より

時は流れ次の福島理事長の代となり、「地元のお客様と観光のお客様」の二兎を追う挑戦は、理事会で議論の末「地元のお客様、定期的に商店街に足を運んでくださる広域のお客様、遠方や海外からお越しくださる観光のお客様」の三兔を追う挑戦となりました。ちょうど東京都中小企業診断士協会からの派遣任期2年を終え、このときは後任の診断士が担当しており、私は議論に参加できておりませんでした。あとからこの新方針を知り、杉田理事長の方針は内包されて良かったなと思いました。


そして月日は流れ商店街のお店もどんどん入れ替わっていきました。昔ながらのお店がなくなり新しいお店に変わっていきます。1972年と2013年との比較図です。下線のお店は1972年当時営業していたお店で2013年も営業を継続していたお店です。下線以外のお店はすべて別のお店に変わっています。かなり入れ替わってますよね。びっくりします。
そして2023年の今と2013年を比べると下線のお店のうちの8店舗無くなりました。11月にスーパーマーケットの「のなかストアー」が建物建替のため閉店したのは、地元の方にとって大きな出来事だと思います。また鮮魚の冨じ家さんも移転しました。これで川魚と貝の福島商店さんのみとなり、通常の魚屋さんはすべて無くなりました。

谷中銀座商店街の業種変化

昔ながらのお店がなくなってしまうという、これまでにない課題に直面している谷中銀座商店街。時代の流れには逆らえないということなのかもしれまませんが、この状況をふまえ昔ながらのお店と新しいお店、そして建物のオーナーが協力し、新たな方針を打ち立てていくことが必要な時期になってきたと思います。
商店街支援をする中小企業診断士として、台東区が私を継続的に派遣している今のうちに新たな方針策定に貢献していきたいです。


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