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義援金・給付金等に係る差押は禁止されます。

残念ながら日本は災害が多い国。それも「未曾有」と呼ばれる大災害が往々にして起きてしまいます。

そういう時に、義援金・給付金は人々の支えになります。

義援金は、被災者に贈るもの。赤十字、赤い羽根共同募金、自治体、テレビ局等が国民から受け付ける。
支援金は支援団体に出されるもの。
給付金は国や自治体から出されるもの。国民に支給される。
2020年の新型コロナウイルス感染拡大期に、国民一人10万円の特別定額給付金が支給されたのは多くの人の記憶にあると思います。

次の表は義援金、給付金の差押禁止に関する法律の一覧。いずれも議員立法で超党派の合意で提出されて来ました。東日本大震災の時の措置がきっかけとなっています。自然災害に限らず、新型コロナ感染症感染拡大という「未曾有」と呼ばれる事態、さらには物価高対策等での給付金も対象となるようになりました。

もともとは「未曾有」の災害時に、困っている人に支給される義援金等までが差押さえされることはいかがかという発想によるものでした。

東日本大震災関連義援金に係る差押禁止等に関する法律(平成23年法律第103号)
 東日本大震災関連義援金の交付を受けることとなった者の当該交付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。
 東日本大震災関連義援金として交付を受けた金銭は、差し押さえることができない。
 この法律において「東日本大震災関連義援金」とは、東日本大震災(平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う原子力発電所の事故による災害をいう。)の被災者又はその遺族(以下この項において「被災者等」という。)の生活を支援し、被災者等を慰藉しやする等のため自発的に拠出された金銭を原資として、都道府県又は市町村(特別区を含む。)が一定の配分の基準に従い被災者等に交付する金銭をいう。

こうした法律が出ること自体ではないですが、こうした差押禁止にすべきと考えられる給付金等が支給される状況が、「未曾有」のメルクマールと感じられる側面もありました。

差押禁止法一覧(参議院HP議案情報等より作成)

なお、「災害弔意金の支給等に関する法律及び被災者生活再建支援法の一部を改正する法律」(平成23年法律第100号)により、災害弔意金、災害障害見舞金及び被災者生活再建支援金は一般法として差押禁止財産とされました。

また、義援金については、その後、「自然災害義援金に係る差押禁止等に関する法律」(令和3年法律第64号)により一般法化されており、この後、これらの給付がある場合については、都度、差押禁止法が出されることはなくなりました。

更に、物価高騰対策給付金に係る差押禁止等に関する法律(令和5年法律第81号)で、その第2条第2項の規定により、ここに該当する同種の給付金についても本法で差押禁止の対象となるとされています。

 前号に掲げるもののほか、次のいずれにも該当する給付金であって、その支給を受けることとなった者が自ら使用することができるようにする必要があるものとして内閣府令・総務省令・財務省令で定めるもの
 物価の高騰の影響を受ける家計への支援を目的とする臨時の措置として支給されるものであること。
 イの支援を必要とする個人又は世帯として内閣府令・総務省令・財務省令で定めるものに対し給付金を支給することを目的として国が交付する補助金又は交付金を財源として都道府県、市町村又は特別区から支給されるものであること。

物価高騰対策給付金に係る差押禁止等に関する法律(令和5年法律第81号)第2条第2項


義援金差押禁止法の発想の要因一つには、東日本大震災という「未曾有」の事態ということがあったのは事実です。

これら差押禁止が一般法化することは、義援金等か支給される人々にとってはその都度の立法を待たなくてもよいので、良いことかもしれませんが、「未曾有」の事態も一般化されたようで、少し悲しい気もします。

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