〜グレートコンジャクション〜「風の時代」と美容業界

240年続いた「地の時代」が終わり、2020年の12月22日を境にグレートコンジャクションとミューテーションで「風の時代」に入りました。
水瓶座の時代が次のグレートコンジャクションまでの20年間続きます。

はいこんにちは、水瓶座のITOです。

産業革命〜世界大戦を経て、土地やお金など物質的なものに執着する「地の時代」は終わり、これからは情報や知性など自由でクリエイティブな事が重要視される「風の時代」の幕開けです

近年、国家の争いは減少しています。先進国同士での戦争は起こらないとさえ言われています。
持つ者と持たざる者、経済では貧富の格差が限界ですが、一方ではシェアエコノミーや地産地消、SDGsなどの動きも盛んです。
日本は高度経済成長を経てからの終身雇用神話崩壊、ここ30年間続く低成長の日本経済からも「地の時代」が終わろうとしていたのが分かります

〜ヘアサロンでは〜

私たちの美容業界でもパラダイムシフトが起きています
90年代までは上司が部下を教育し、一人前の美容師に育てるという縦社会の構造がはっきりしていました。
技術職は現場で見て盗むだけでは次のステップに進む事が難しいので、アシスタントとしてスタイリストに教えを乞う事や、技術チェックに合格するために上司にはある程度従順でいる必要があったのです。

都内のブランドサロンでは特に縦社会の構造は顕著でした。

理由としては
・有名美容師になる為にはブランドサロンでスタイリストデビューする事が必須
・メディアからの仕事依頼は表参道や原宿界隈のブランドサロンに集中しやすい
・雑誌やTVに登場する=有名になり売れる

外部から会社に入った撮影依頼を振り分けてもらう事により、メディアへの露出が増え個人として認知度が上がり、結果集客につながる。このように個人として組織に依存する関係がありました。「だからどうかいさせてください」と。

現在ではどうか
・SNSによるセルフプロデュースで個人の価値を上げる
・ブランドサロンが個人を育て売り出すというより個人がサロンの価値を上げる
・地域に関係がなく個人が広範囲にプロモーションができる

90年代中期に起きたIT革命により、世の中が急速に情報社会へと変化していく中、接客業であり技術職の美容業界は、少し遅れて2008年のiPhone日本発売あたりからWEBマーケティングに力を入れ始めた。
現在では雑誌など紙媒体に頼る事なく、個人が自由に発信して集客するというのが当たり前になったので、個人はサロンへの依存度が下がる。

〜仕事内容の変化〜

私が新人スタイリストだった時は、名刺を持って街に出て通行人に声をかけ、お客としてサロンに来てもらうという事に休日の時間を割いていた。
モデルを使った作品撮りなどもカメラマンにお願いしたり、自分でカメラを持ったとしてもフィルムの一眼レフなので、フィルム代やプリント代にお金もかかった。そもそもカメラの勉強からしていた。
あとはひたすら技術を磨く練習という…何から何まで泥臭い

今のスタイリスト達は、モデルの撮影も自分のiPhoneでカジュアルにできるし、1日の大半は画像撮影や動画編集、テキスト編集に時間を割いている。技術鍛錬>プロモーションではなくプロモーション>技術鍛錬。美容の技術が未熟でも、SNSでの見せ方次第で爆発的に集客に繋がる事を知っているから。
もう完全に美容師としての力の使い方が変化している。

技術の習得や最新情報なども、欲しい時にすぐSNSやYouTubeで得られるので、身近な先輩に聞く必要も無くなる。むしろ「あー分かりました、でしたら別に教えてくれなくていいですよ」というスタンスにさえ感じる。

以前、ホリエモンが言ったいた「今時、イケてる寿司屋はそんな悠長な修行しねーよ。センスの方が大事」とし、数ヶ月で寿司職人になる事ができるとしている。

この考え方に、技術職として反論が無いではないが賛成できる部分も多々ある。
酢飯こさえてネタをのっけるだけ程度の寿司職人なんていくらでも存在するし、時と場合によってそれが奇跡的に美味いと感じる事もあるだろう。

美容業界でも私がアシスタントの頃は、アシスタントからスタイリストになるまでに5〜7年が都内のブランドサロンでは普通。私も5年を要したが、確かに技術的にも人間的にも5年では足らないと思っている。
しかし時間の無駄を強要された事も沢山ある。サロンワークや集客に直結しない様な、または直結する可能性が限り無く低い技術の練習の多いこと多いこと…
私の持論では、私1人が1人だけを教育し、スタイリストにするのに要する時間は1年未満だと言える。複数の上司があーでもないこーでもない言うより、一子相伝の方が絶対に早い。
でもそれは「とりあえず形にはできるよね」「まあ雰囲気はいい感じだね」と言うレベルであって、広い客層、スタイルのバリエーション、精度は保証できない。同じ年齢層と価値観の客であれば、客と美容師が一緒に成長すれば良いと思うから、とりあえず美容師という形にはなれる。

この様な理由から、ホリエモンの寿司職人発言に関して、私は共感できる部分があるのだ。
美容の技術や寿司を握る技術、限り無く合理的にできる可能性があり、そこへの需要もある。センスがあれば経験を凌駕するという事もあるだろうし、それがわかっちゃった者達が言うべきか言わざるべきか迷っている間にホリエモンが躊躇なく言っただけ。

これらの変化が良いとか悪いとかでなく、明らかに「風の時代」を象徴する現象として受け止めている。
組織の中で序列はなくなり、皆がフラットな関係の中で緩やかに繋がっている。ベテランだからといってアドバンテージが高いわけでなく、新人だからといって上司に平伏す必要もない。美容師として、同じフロアの中でどれだけの仕事をするかが重要であり、仕事内容にも上下の序列は存在していない。ベテランは若い感性から最新の情報を得るし、新人はベテランの仕事に自分たちにはない「厚み」と「精度」を見出す。上から下へ一方的に伝える事の理不尽さを皆が自然に分かり始めている。

〜フリーランス美容師〜

2020年は、美容師のフリーランス元年とも言われていました。
サロンという組織に雇用されるのではなく、フリーランスの美容師が場所やとセット面のある所へ出向き施術をする。時間としがらみからの自由、この働き方が激増するであろうという見立て。
(日本では美容所登録した所でないとカットなどはできない。美容師が個人宅へ訪問の場合は福祉の分野になる)

今フリーランスが自由に働けるサロンは増えている。美容師もブランドサロンで技術を習得したら簡単にフリーランスになってしまう。
ブランドサロンはアシスタントを雇用しているので、スタイリストへの金銭的な還元が少なくなる。フリーランスだけを集めているサロンは、アシスタントを雇用しないので、相対的にスタイリストへの還元は多くなる。つまりプレイヤーにしてみたら魅力的なのです。

〜ブランドサロンの価値とは何なのか?〜

アシスタントを雇用しないサロンばかりになったら、誰が美容師を養成するのか問題。
極端な言い方をすれば、
ブランドサロンはアシスタントから雇用し、教育し美容師として経験の場を与える。教育に時間とお金を投資している「善」
フリーランスサロンはそれをやっていないではないか「悪」
これが一般的なブランドサロンの言い分

フリーランスサロンの正義は
「だってせっかく育てても、ブランドサロンはスタイリストに十分な給料を出さないから愛想尽かされるんでしょ」
これも市場原理として当然。

老舗のブランドサロンでスタイリスト採用している所は少ない。他のサロンからスタイリストの引き抜きもしない。同業者として踏み入れてはいけないラインが暗黙の了解であったから。中途採用であってもサロン内での序列を乱したくないため、たとえスタイリスト経験者でもアシスタントからやり直してもらう。
ところがここ20年位でこの秩序は崩壊した

気鋭の若手サロンやフリーランスサロンは、SNSのDMでバンバン引き抜き合戦をしている。少しでも客や売り上げを持っているプレイヤーであれば、簡単にスタイリストとして採用してしまう。同世代の似た様な価値観同士で緩やかに繋がっているから序列は乱れにくいし、そもそも序列の意識も希薄

そうです、これもどちらが悪いとか良いとかでなく、現象としてそうなってしまっていると言う話で、このいかにも「風の時代」的な流れに各サロンは、美容師は、どう対応し変化していきますか?って事。

私もACQUAに勤めて27年になる。沢山の先輩から学び、その何百倍ものスタッフを教育してきた。一人前の美容師に育ててくれたACQUAで、次世代の美容師を育成する事が恩返しと思ってきたから。
そして気付いたのが、人は育てるではなく勝手に育つもの。その時代その時代で、若い感性達は360度全方位から刺激を受けて勝手に育つ。一方通行で「育ててやったぜ」という感性は本当にダサいし「風の時代」的じゃない。
ただ、老舗ブランドサロンに蓄積されたスキルは簡単に模倣できないし、長い歴史の中で醸成された美意識や価値観に自然とドップリ浸かって美容師になれる事は幸せだ。多種多様な猛者達に揉まれる事は、時間もかかるし訳がわからなくもなる。そして時にそれが無駄と感じてしまう。しかしその無駄の中にこそ彩りや深み、感動があり、これを経験した者達にしかわからない領域がある。ここにブランドサロンの価値がある。


これからは伝統や文化が澱となってモッサリしないよう、ACQUA(水)のように柔軟に変化する事も必要だ。

240年続いた「地の時代」が終わり水瓶座で幕開けの「風の時代」。水瓶座であり丑年の年男でもある私ITOは2021年が楽しみでしかない。水瓶座らしく自由で枠にとらわれないクリエイティブな生き方をしていきたい。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


1月 ITOのサロンワークスケジュールのお知らせです。

年始は5(火)から始まります
1/23(土)14:00〜不在
1/27(水)夜は不在

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

皆さまのお越しを、スタッフ一同心よりお待ちしております。
ITOの予約はこちらから
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
https://4cd6fd.b-merit.jp/n4XDZq/web/login?shop_user_id=31717
------------------
Instagram kazaki ito
https://www.instagram.com/kazkaz22/?hl=ja

twitter 伊藤和明
https://mobile.twitter.com/197322k

note イトウカズアキ
https://note.com/kazuaki_ito_plus/

YouTube kazuaki ito
https://youtube.com/user/197322k
------------------

【営業時間】
平日 11:00-21:00
土  10:00-19:00
日祝 10:00-18:00
(月曜定休/祝日の場合火曜日)


ACQUA aoyama
東京都港区南青山4-20-20
モンプチビル1F
03-3478-3131

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?