そこは毎日通ってる通りであった。

何気に歩いていると
前から何やらやってくる。

赤の四角い郵便ポスト下を黒い影が動いた。

そいつはスマした顔して堂々と歩いている。

えっ！
立ち止まった。

いまの！
黒ネコさんやん。

私は思わず振り返った。

黒ネコさんは我が道をゆく。

そしらんフリして歩いてく。

ほらっ。

もう直ぐ。

絶対に振り向くぞ！

ヤツは必ず振り返る。

ほれっ。

ほれっ。

こっちゃ向け！

ここでキックターンだ！

心の声が聞こえたのでしょう。

あん時のジョー。

ちゃうわ。
案の定コチラに振り返りよりました。

う〜ぅ、うっ！

ビンゴ！

前足をちょこんと縁石に乗せ私を見ていた。

付いて来いよって言ってんのかな。

考えていると黒ネコさんは先に進み出した。

慌てて跡を追っかけた。

お尻フリフリ可愛いヤツである。

子ネコさんなのかな。

ちょっと小っちゃい目である。

宅地の路地になるのでしょうね。

踏み入ることはやめときましょう。

遠巻きに目で追っかけた。

警戒して逃げ出す素振りはない。

小っちゃいが堂々としている。

辺りの様子を伺う訳でもなく
コンクリートブロックの上にちょこんと乗った。

お気に入りの場所なのか
自分の縄張りなんでしょうか
スッとそこに座り込んだ。

オイオイ、お尻向けっぱなしかよ。

って思ってたら不意に振り向いた。

あれっ！
私の心の声が聞こえているのかなぁ。

なんだよーって
ちょっとだけこっちを見たかと思ったら
また、向こうを見ている。

やっぱり、この子も耳がサクラちゃんだね。

もっかいこっち向かないのかなぁ。

って思ってたら不意に振り向いた。

なんでそんなちょっとしか顔見せないんだよ。

やっぱりキミには聞こえてるんだね。

すると、
また向こうを向いてしまった。

もうちょっと顔見せてよー。

って、思ってたら
こっちは見ないまでも横顔が見えた。

おちょくってるなコイツ！

何考えてんだわか分かんない。

のんびりしてもっと遊んでたかったんだけど
そろそろ行くわ。

また会えるかな。

元気でね。

じゃあね。


バイバイ！

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ｂｙ　まるまるの虫　カメさん