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ベトナムIT人材は次のフェーズに

2019年2月13日付けの日経新聞に弊社の教育事業とジョブフェアについて取り上げていただきました。

日本企業と現地のIT人材をつなぐ動きもある。ベトナムに拠点を持つソフトウエア開発のフランジア(東京・千代田)はハノイ工科大学など現地の理系3大学と組み、新卒採用を支援する就職説明会を開いている。14年に採用支援事業を始め、これまでIT企業を中心に就職したベトナム人の新卒は250人に達するという
※ 上記日経新聞記事より引用
辻庸介社長は「開発コストの削減以上にエンジニアの技術力の高さが魅力」と話す。

記事中で辻さんも言及しているとおり「安い人材を調達する」という目的から「日本では採用できない技術力の高い人材を採用する」という企業が増えてきているように感じます。

「人種に関係なく優秀な人材を世界中からかき集める」シリコンバレーのIT企業では昔から当たり前のようにやっていたことですが、ようやく日本にもこの流れが来たかと嬉しく思っています。

記事でも言及されていますがベトナムは数学オリンピックやITオリンピックの上位常連国です。

以下の表は数学オリンピックの結果をエクセルにまとめたものですが、多くの先進国に比べてもベトナムは健闘してます。

2018年の数学オリンピックは参加国 107ヶ国・地域、594名(男子534名、女子60名)が参加して7月3日から14日までルーマニアのクルジュ・ナポカ(Cluj-Napoca)で開催されました。
日本代表選手は、金メダル1個,銀メダル3個、銅メダル2個を獲得し国別順位13位という成績を収めました。

上記画像引用元: 第59回国際数学オリンピックルーマニア大会の結果報告

日本のトップレベルの進学校の学生が参加しています。各国から数学の天才が集まって10日間ほど数学力を競い合うイベントです。

日本の問題はこういう数学やITの天才をIT企業が採用したいのになかなか採用できないことです。

もっと言うとこの学生たちの中の何人が大学で情報工学部に進学しエンジニを目指してくれるのかということです。つまり、日本のトップ学生が工学部ではなく東大理Ⅲ(医学部)に進学してしまうことが問題なんです。もちろん医学に貢献してくれるのは良いのですが、実家の町医者を継いでしまう人も一定数いると思うとこれはもったいないことです。

数学やITの天才は国の財産です。トップ人材は革新的な技術を開発している企業に就職して天才エンジニアとして日本の技術を引っ張ってもらいたい。アメリカのテック企業は世界中から天才エンジニアを集めているから強いのです。

日本もようやくその土俵に乗ってきたと思うと嬉しく思います。

楽天やメルカリなども競ってインドや中国から積極採用しているのでこの流れは加速していくでしょう。

日本語ネイティブでハイコンテクストなコミュニケーションしか社内で通用しないが前提になっている企業は海外人材を取り入れることができずに弱体化していきます。

受け入れる側もわかりやすい、誤解を生みにくい日本語でコミュニケーションを工夫する必要があります。すべての人がこういうことができるわけではありません。そもそもエンジニアの中には人間同士のコミュニケーションが苦手な人もいるので、外国人エンジニアを受け入れることに拒否反応がある人もいるようです。

そういう壁を乗り越えた企業は世界中から人材を採用することが可能になり、大きな競争優位性を手に入れます。(日本の中では)

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ただ世界は待ってくれません。いつまでも新興国の優秀エンジニア人材がわざわざ日本語を勉強して日本に来てくれると思っていると大間違いで、いずれ日本で働きたいという人が減ってくれば、採用したくても採用できなくなります。

今はまだ日本で技術を学びたい、日本の給料は魅力的だと思ってくれる人がいるので採用できますが、日本企業も世界中の企業と優秀人材の獲得競争していることを忘れてはいけないと思います。

どのくらいの時間が日本に残されているのかわかりません。

しかし、企業も個人も危機感を持って世界中から優秀人材を採用し、強いグローバルチームを作り、新興国を中心に海外での事業を拡大していくしか生き残る道はありません。

幸いなことに世界には日本や日本人に親近感を持ってくれる人がたくさんいます。僕らの先輩やご先祖様が築きあげてきた信頼のおかげです。

我々も信頼を裏切ることなく、さらに信頼を積み上げてよりより世界のために世界中にいる多くの同士と協力していければと思います。


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