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致知2023年8月号「悲愁を越えて(総リード)」を読んで


ちょうど我が娘が記事に紹介されていた浦島君(『子どもの心に光を灯す(東井義雄著)』に、亡き母への思いを綴った作文が掲載されている男の子)と同じ小学一年生である。ありがたいことに、何不自由なく、家族に囲まれて、学校に通っている。作文を読むと、同じ年齢とは思えない。想像ができない。

最近、古い映像だが、学校に通わず親元を離れて出稼ぎをして、仕送りをしている10歳のフィリピンの子どものドキュメンタリー映像を見た。いずれも厳しい環境に身を置き、辛い境遇を背負っている。だが、ただ悲しいというだけではない。悲しみから立ち上がり、思い出を胸に、今を一所懸命に生きる原動力としている。運命に抗うことなく、受け容れ、いかに生きるか、本能的に感じて実践している。

https://youtu.be/Xz5KueHEOCE?si=rmLx4E8SAsp84N4I

「人の世は悲しみの海である」
「人の数だけ悲しみがある」
「この世に悲しみと無縁の人は一人もいない」

不幸や悲しみというものは、他者が抱えているそれと並べて、数値で量り比べるものではない。だからこそ、些細なことであったとしても、悲しみを感じているとき、その心に寄り添う愛情で接することを忘れてはならない。そして、悲愁を越えていけるかどうかは、その人次第である。

だからこそ、意志を求め、こうあるべきと働きかけるのではなく、この仲間達と過ごすことで、前を向くことができそう、やっていけそうだという空気・雰囲気、アフォーダンス(ほのめかし)と呼ばれるものをつくっていくことが大切である。これも一つのリーダーの役割である。原体験を力にして、悲愁を越えていく後押しが出来るリーダーになれるよう成長する。

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