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致知2023年7月号「学を為す 故に書を読む(総リード)」を読んで


「学を為す 故に書を読む」という佐藤一斎のこの言葉は、自らの身を修める学びの為に、本を読むのであり、ただ読むことは学びではないという。だからと言って、本を読まなくていいというわけではもちろんない。

西郷隆盛のことを「実行の化身」と表現しており、そのような人が一斎の言葉を心の糧としたとあるように、書を読み、心に留め、そして、実行、実践して、自分をつくっていけ!ということなのだろう。

また、長寿であった一斎の人生をたどり、晩年には、すさまじかったという生涯を通して、人間学を学び、自らをつくり、魂を磨くことは、生涯かけて実行し続けるべきことであり、こうすることで、老いてもなお、さらには死してもなお、周りの人々に、良い影響を与えることができる存在となるのだろう。

最後の森信三も同じことを言っている。学ぶということは、生まれつきの性格が怠惰であろうと愚鈍であろうと、意志をもって変え続ける、実行し続けて生きるということだ。書を読み、学び、生きろということだ。

本誌の別記事で、一斎の『言志録』二条の言葉が以下の様に紹介されている。

「太上は天を師とし、其の次は人を師とし、其の次は経を師とす」
(最上の人は天地自然、宇宙の真理を師とし、第二等の人は立派な人を師とし、第三等は人の経典を師とする)

学問といえば、書を手に取りがちだが、順は逆で天から、人から、書からであると。ふと、天から、人から、書から、いずれに学んだかどうかはともかく、授かった人生に学びながら、一所懸命に生きた我らが創業者・宮澤文雄に思いを馳せる。

語り継がれている言葉の一つに、病の床の上で、「会社はおめぇたちのもんだ、おめぇたちのために、おめぇたちがやれ」とある。過去から、社員が主役で、自分達でやる、みんなでやるを地でいく精神を象徴していると思うが、今の自分には、まだ同じ言葉を重みをもって語れないと思う。だからこそ、この言葉が今も創業者の言葉として生きている。

この精神を魂で感じて、実行していこう。

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