見出し画像

致知2023年1月号「遂げずばやまじ(総リード)」を読んで


蘭学者、大槻玄沢の「およそ事業は、みだりに興すことあるべからず。思ひさだめて興すことあらば、遂げずばやまじの精神なかるべからず。」の自戒の言葉は、孫の文彦へと受け継がれ、生き様に表れた。事業を興すとは、狭くは、起業することを言うと思うが、思いとともに、事業を引き継いで行うことも含まれるだろう。また、何も経営するという枠に限られることもないように見え、「一つ事を為す」と読み替えて、思い定めてやり遂げるまで何事も実行し尽くせと訴えている様に感じる。

読み替えているうちに、起業家だ、後継者だと分類したり、経営者だ、従業員だと分類することが、役割と責任を明らかにし、使命感を持つには有効だが、決断と実行の過程においては、無意味な分類だと感じた。自らを奮い立たせ、天命に従うべくアイデンティティを自己規定することは大事だが、「やる、やり遂げる」という段階においては、人は皆平等な一人の人間として、様々な概念を超越して統合できる。やるという場面において、様々なところまで俯瞰して高め、思いを定めて、やり遂げるエネルギーを持ちたい。

目下、新年を迎えたばかりで、今年の十二支十干は「癸卯(みずのとう)」であり、筋道を立てて、整理して事に当たれば、飛躍していけると著しい成長に向けて思いを高めたところである。まずは、今年一年、あきらめず、へこたれず、想いの実現に向けて飛躍していきたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?