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対話に重きを置く理由

私は「対話」”コミュニケーション”に重きをおいています。
仕事をする上で当たり前じゃないかと思われるでしょう。
でもおそらくイメージの倍以上、対話にこだわります。
私との対話も含めて、全ての関係性において、対話にこだわります。

自己紹介にも書きましたが私は人の周りに色や形が見えます。
小さい頃からです。それをオーラと呼ぶと知ったのは本当に最近です。
ただずっと、「なぜ笑っているのに(オーラが)固いんだろう。閉ざしたその中に違う色が見えるなぁ。そっちの方がフィットしてるなぁ。ちょっと聞いてみよう。あ、やっぱりこの話すると柔らかくなる!」などなど色や形や柔らかさ?で人の様子を見ていました。
だから対話にこだわりたい。話してほしい。安心してほしい。脅かさないから、怒らないから、笑わないから、話してほしい。と思います。

オーラが見えてるなんて怖い。全部見透かされてるみたい。ってよく言われます。でも、対話以上に見えるものではないです。トリガーにはなります。
揺れた。柔らかくなった。光がさした。色が変わった。などなど。
でも話してくれないと完全には理解できません。無意識下で本人が気づかない(ふりをしている)得意なこととか、感情とかに気づいてほしい。だからオーラが見えることを使って引き出したい。潜在意識では気づいている、それをはっきりと言葉にできるのは本人だけだから。

NTTに新卒で入社した私は本当にダメな社員でした。
PCがネットにつながる仕組みも良く分かっていないのに(研修では寝てた)回線を利用するシステムを売らなきゃいけなかったり、0120や専用線などを提案しに行かなければならず、今思えば、何もわかってない人がしゃべる電話回線やシステムなんてほしいと思うお客様がいるわけもなく。
優しいお客様に恵まれたので「君の説明わかんないよ」とはおっしゃらず「本社に決定権があるので私たちにご提案頂いてもあれなんですよ...」とやんわり断ってくれていた。のです、今となって思えば。

ダメな社員はとことんダメだから、「本社に決定権あるのに提案書なんて作っても仕方ないじゃん」と都合の良いように(会社的には悪いようにです)解釈して、しょっちゅう、湘南の海岸でレジャーシート引いて、音楽聴きながら本を読んだり、お菓子を食べたりして営業所に戻るという日々を繰り返していました。

前置きが長くなりましたが、こんなダメ社員だった私が、売り上げ県内ナンバーワン(ナンバーワンですよ!笑)になったのは、とあるブチョーが赴任してきたからです。

スパルタでもない、KPIなんて言わない、べらんめぇ口調で、ゴルフと釣りが好きで、最近蕎麦打ちにハマってて。と笑いながら語るとにかく明るいブチョー。

着任早々、小さな支店の法人営業部総勢20名ほどは全員ブチョーと面談することになりました。ブチョーは私の担当のお客様の情報を一通り聞き、後は完全にフリートーク。なんだかんだ雑談の方が多くて、私も毎日海で時間を潰していることや、決定権のないお客様ばかりという不満と、こんな田舎ではなく東京の西側で働きたかったこと、営業ではなく企画なんかがやってみたいことを(いけしゃーしゃーと)話してしまうほど打ち解けていました。(表現)
最後にブチョーが言ったのは「営業はもういいよ笑。若手をしっかりまとめてくれ。その一環でいいから、こんど蕎麦打ちの腕、披露したいから、若手全員うちに遊びに来れるように段取り頼んだ!あ、蕎麦しかないからな。他は買ってくるなり、ほら、若い男子うまくつかってうまくやってくれな。頼んだぞ☺」でした。

元々、若手は仲が良かったこともありますが、蕎麦打ちの会に始まり、ゴルフの練習(営業はやはり接待ゴルフに誘われることも多かったのです)などのエンタメに加えて、分からないところの相談、得意/不得意の共有、資料のチェックなどどんどんと一致団結していきました。

で、毎日海の観察(!笑)をしていた私ですが、ブチョーが着任の挨拶周りの時に「うちのエースです。長くここにはいないと思うので今のうちにこき使ってください」なんて発言したせいで、あ、違、発言していただいたおかげで!、お客様も「あれ。説明もわかりにくいこの子、エースなの?もしかして誤認だったかな」と思ってくださったのか、少しづつ相談してくださるようになりました。
質問されると、頼られると張り切ってしまう私。(質問も相談も対話ですね)
そしてその頃は既に若手の得意/不得意がはっきりわかっていたので、私では理解が追い付かない分野は得意な子に、私の方が理解できている分野は私がというように自分のお客様のこだわらずにどんどん協働できるようになっていました。

加えて、ブチョーが、「また支店会議で怒られちったよ。んなに売り上げなんてすぐ上がんねーよな。」なんて帰社後すぐ大声でグチるので、あ、ブチョーに恥かかせてばかりはいられないなと。やってやるぜと。
そこから色んなラッキーももちろん重なり、県内トップに。
そして若手が団結していたので、全員が自己ベスト更新。提案書や見積も共有していたので、残業時間減で売り上げアップ。その内余裕が出てくるので今度は大先輩の方々とも協力し合い、全員で売り上げアップ。
我が支店はあれよあれよとトップに躍り出ました。

そして、私は、そこから約一年で、東京ど真ん中、溜池山王にある47階の企画とマーケティングを担う部署に転勤となりました。全てはブチョーと最初の雑談の時に「東京で企画がしたい」と私が言ったこと、これを叶えるために奔走してくれてたのです...

私が対話にこだわる理由

前置き(というかほとんど本文)が長くなりましたが、私が対話にこだわる理由はこれです。私は、私の本当の気持ちや想いを聞いてもらったことから人生が変わりました。本来、業務時間中に海の観察(しつこい)をしていること、自分を顧みることなく他責にしていることなどありえないことであり、言葉にすること自体はばかられることです。ただ、それを真摯に聞いてくれたブチョーはそこから何を汲んでくれたのでしょうか。
私の特性やいいところを対話の中から見抜いてくれたのでしょうか。

ブチョーはもう他界されており聞く術がありません。

聞く術がないからこそ、私は信じています。対話を重ねることの大切さを。

もちろん、コミュニケーションには相当の繊細さと高いスキル、そしてめげない強さなどなどが必要。もっと言えば”愛”が必要です。
きちんとそこを胸に。
私が関わる会社様、社員の方々が少しでも何かをつかめたら、心が軽くなったら、仕事がより楽しくなる人が一人でも増えたら...笑顔や幸せの時間を増やすために私はこれからも対話を大切にしてゆきます。

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