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京都の野外彫刻 フィールドワーク77

『岐路』

1969年  阿部 正基

阿部正基(1912年~1978年) 仙台市出身 日展会員 日展審査委員 

設置場所 :  京都府立植物園(左京区下鴨半木町)
 植物園の北山門から噴水のところを右に行くと球根ガーデンがある。この作品は南側の針葉樹林の巨木と球根ガーデンの植え込みの間に設置されている。少し薄暗い場所だが、フィールドワークにでかけたこの日は樹々の間から午前の日の光が差し込んでいた。
 正面からは逆行でよく見えなかったが、この像の背に光が差し込み美しかった。背後に植えられている樹木の垂直線と立像姿がよく似合っている。右脚を前に出して両手を後ろで組みながら体ひねるボーズが面白い。ひねった体のポーズに樹々の生命と同じようなものを感じた。少し頭を下げ振り返るような視線の先には何があるのだろうか。題名の「岐路」とは何との別れなのだろう。