京都の野外彫刻 フィールドワーク79
『安倍晴明』像
2009年 山崎 正義
設置場所 : 晴明神社(上京区晴明町806)
安倍晴明は平安時代に天文や歴,時報などを学び陰陽道を成立させたひとり。天皇や多くの貴族から信頼された陰陽師で多くの伝説が伝わっている。
晴明神社は堀川通りに面して大きな石の鳥居があり,そこを通ると左に「一条戻橋」がある。さらに奥に進むともう一つ鳥居があり,それの奥に拝殿(本殿)がある。この像は拝殿に向かって左に設置されている。右には厄除桃の像が配置されている。
晴明像は少し高さのある台座に胡坐を組み,印を結んだどっしりとした安定感のある姿だ。少しふっくらとした顔で,目を少し細め斜め上に視線を向けている。線刻で瞳が表わされているが,何かこの世でないものを見ようとする目のようで興味深い。この安倍晴明像は室町時代に描かれた『安倍晴明公御神像』(晴明神社蔵)をもとにして制作されたものだろう。