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田舎オタクの見た北海道4(湧別、網走~根室)

これは学生時代に全都道府県を踏破した旅人の目から見た、各都道府県の魅力を書き綴った記事である。

友人と行ったり、一人で車中泊をしながら旅したりと、さまざまな方法を駆使し、社会人となる前に全都道府県を踏破することができた。

なお私は友人に引かれるほどの田舎好きなので、回る箇所は自然遺産がメイン、自然へのポエムが飛び出すときがあるが、暖かく見守ってほしい。

今回は第4段、道東編。

日本本土最東端の根室までの旅だ。

この回で紹介する日は非常に貴重な経験をしたため、鮮明に記憶に残っている。

さっそく振り返っていこう。

[目次]
・北海道胆振東部地震
・博物館網走監獄
・天に続く道
・世界遺産、知床半島
・本土最東端へ
・総括

・北海道胆振東部地震

私は前回最後に紹介した、道の駅ピンネシリの駐車場で車中泊をしていた。

深夜、車が揺れた。

そのときは風が強いな、程度の認識で特に気にせず寝てしまった。

翌朝、携帯電話を見ると、地震があったとのニュースが流れていた。

それもかなり大規模なものだった。

驚きはあったが、事態を飲み込めていなかったからか意外と冷静だった。

空がきれいだな、などと思っていた。

電気も使えず、食べるものもない。

とりあえず事態が把握できるまで動かずに待った。

しばらく滞在し情報が飲み込めてきたので、道の駅で食べ物(飲料水と南部せんべい)を調達して出発した。

停電のなかお店を開けてくださった駅員の方々に感謝している。

その日は道東のオホーツク海沿いを移動するにとどまった。

町の職員が深夜まで電源やスペースの確保に動いてくださっていた。

道の駅かみゆうべつにある鉄道

・博物館網走監獄

翌日、道の駅に電源が復旧した。

徐々に復旧した自治体が増えていく。

何とか旅を続けられそうだということで、網走に向かった。

ここは有名な監獄がある場所で、北の大地の厳しい環境で囚人たちは道路をつくらされた。

北海道の道路は囚人たちによってつくられているところがあるようだ。

なるほど威圧感のある風貌だ。

中は資料館と、実際に使用されていた施設があり、敷地は広い。

長く楽しめる場所であった。

囚人たちは味噌をつくっていた。

ここでつくった野菜や味噌を食べさせ、働くことの素晴らしさを学ばせた。

味噌の味は一般人にも好評だったとか。

現在とは雰囲気の異なる牢獄。

まっとうに生きているため普段目にすることがないものが多く新鮮だった。

地震直後で観光客はほとんど見られなかったが、そのおかげで監獄の雰囲気を存分に味わうことができた。

丁寧に教えて回ってくれたおじさんありがとう。

・天に続く道

車を走らせ、次の町へ。

斜里町にある、通称「天に続く道」にたどり着いた。

名前はは直線の道路が地平線まで続き、天に続いて見えることに由来する。

写真だと小さくて迫力に欠けるが、初めて見る直線道路の長さに胸が高鳴った。

実はこの場所、アルバイト先の社員さんが教えてくれた。

旅好きは好きな場所の共有ができて面白い。

・世界遺産、知床半島

お次は世界自然遺産にもなっている知床半島へ。

深く壮大な山々と広く整備された道路が対照的だったが、さすがの世界遺産という光景を見せてくれた。

羅臼国後展望台から見た知床

奥に見える羅臼岳の存在感が大きかった。

もっと写真を撮っておけばよかったと後悔。

ヒグマの生息数がダントツに多い地域ということで少し尻込みしてしまっていたのは否めない。

・本土最東端へ

知床を抜け、本土最東端にあたる根室にたどり着いた。

根室半島は知床半島と異なり平坦で、山より海の印象が強い。

納沙布(のさっぷ)岬に本土最東端の碑がある。

北方領土問題を抱えている地だ。

四島の架け橋

北方領土返還祈念のオブジェクトだ。

アーチの下の台では祈りの火が燃え続けている。

この他、「返せ北方領土」と書かれた碑があり、人々の強い思いを感じた。

あと、カモメがでかかった。

・総括

今回は道北で歴史的な地震に遭い、人間の無力さとあたたかさ、そしてしぶとさを実感した。

その中で多少の不自由があったものの、旅を続けることができた感謝を忘れずに生きていこうと思う。

頼れる人がいなくとも、人はなんとか生きていける。

停電で信号機すら機能しない状態で広大な自然の中に身を置き、ありのままを受け入れたことで、成長することができた。

そして網走監獄や北方領土など、北海道の歴史にも触れることができた。

北海道は函館や札幌だけではない。

道北や道東の個性的な風土を、多くの方に知ってもらいたいと思いながら車を走らせていた。

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