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5日でできる手書き図面VR化

目的

手書き図面をVR化するプロセスを一気通貫することが目的です。厳密なモデリングやマテリアル、ライティングなどはすっ飛ばしています。使用したソフトウェアと簡単な工程表が以下です。

工程表

不動産事例演習

始まりは以下の2文です。

課題敷地に事務所用途の建物を計画せよ。
ただし1階に商業用途を計画してもよい。

これが僕たちが立ち向かった課題です。基準容積率、基準建蔽率、日影規制、斜線制限等の法令上の条件をクリアすることはもちろん、不動産としての収益性を最大化するために容積対象有効率を極限まで引き上げるような設計とすることが求められました。またビル管理の側面から、駐車場や管理諸室、PS/EPS等の配置とそれに伴う動線も計画することが求められました。

えっと、厳しいね?????
そもそも図面ってどうやって引くの?????

という建築も不動産も完全にはじめましての状態から、しかるべき方々にフィードバックをいただきながら下のような図面をつくりました。

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ここまでやると立体で見たい

完成した図面を眺め、実際の空間を想像してみる。そこでふとDockに鎮座するサイのアイコンが目に止まります。そう、Rhinocerosです。どこかで必要になるだろうと買っておいたものの、一度も起動していなかったRhinocerosが「俺の出番だよ!」と言いたげにこっちを見ている。なるほど、こいつで図面を起こせそうだな?

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以上が前提条件になります。ここから、5日で無理矢理この図面を立体に起こし、VR化する旅にお連れいたします。

1日目: Rhinocerosなんもわからん

noizのRhinoceros+Grasshopperを参考に、Rhinoの基本的な操作を学びました。コマンド操作はかなり直感的でスッと馴染んだものの、コマンドごとのオプション指定は苦戦しました。何点指定しなきゃいけないの?単位は?NURBSってなに?といろんな壁にぶち当たりながらも、なんとかラーメン構造の梁と柱を建立することに成功します。

2日目: Rhinoceros完全に理解した

2日目になり、StretchとSplitのコマンドを使えるようになりました。これだけでわりと自由に箱を操作でき、全能感に襲われます。所謂完全に理解したというやつですね。一応貼っておきます。

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その勢いでコアや管理諸室、駐車場等を箱で配置した結果、かなりビルっぽくなってきました。柱と床にはコンクリートや木のマテリアルをあて、レンダリングしてみると、もう完全にビル。Rhinoceros完全に理解した。

スクリーンショット 2020-05-24 17.02.54(2)

3日目: Macbook Pro、死す

ここまで来ると、3D添景を置きたいな...人や草を生やしたい...という衝動に駆られ、友人から紹介されたSketchUpのフリー添景ストアから使えそうな人や草をもってきて、配置しました。いざレンダリング!!!!!ワクワク!!!!!

?????

Macbook Proがうんともすんとも言わない。レンダリング画面は真っ黒。ああ、草のメッシュが多すぎるんだな。ReduceMesh、と...。

?????

Macbook Proがうんともすんとも言わない。永遠の虹色グルグル。ああ、詰んでるなこれは。

潔くMacbook Proを納骨し、使っていなかったiMacを掘り起こします。こいつはメモリが倍ある、きっと大丈夫だ...。という願掛けをしながら環境構築し、レンダリングした画像がこちらです。

スクリーンショット 2020-06-03 17.13.40(2)

悪くない。ちょっと右の人怖いけど悪くはない。

4日目: Twinmotion楽しすぎワロタ

前日の最後のレンダリングイメージである程度満足してしまった結果、これを動画に書き出したい欲が襲ってきました。そういえば松本さんが100日後に竣工する建築モデルで綺麗な動画を毎日載せているな...毎日ってことはきっと簡単な手段があるはず...と色々探しているとTwinmotionというソフトに出会えました。

これが凄かった。マテリアルも自由に貼れるし、植栽や人の3D添景が揃いすぎてるし、なによりそれらの動きを指定できるのがやばい。例えば人だったらcallingとかdancingとか選ぶだけで、添景が電話したり踊ったりする。リアルタイムで。

さらにRhinoとダイレクトリンクできるため、Twinmotionの導入は非常に簡単でした。これは楽しくなりそう。しかしここで一つ問題が。

どうやらRhinoのモデリングスケールが1/100だったようで、進撃の巨人に。時間もないしこれはこれで面白映像ということで、本日はここまでとしました。

5日目: いよいよVR化

Twinmotionという寄り道をしたものの、今回のゴールはVR化。自由に空間を移動してもらえるようにしたい。そこで選択したプラットフォームがClusterとStylyです。

Clusterは複数人が時空間を共有できる点、Stylyは登録なしで誰でもwebでウォークスルーできる点が素晴らしいと思います。これらのプラットフォームにワールドをアップロードするために、RhinoモデルをUnityに渡します。ここでいくつかのテクスチャが剥がれ落ちてしまったのですが、時間がないのでスルー。最後にClusterとStylyのUnity用プラグインを入れて、アップーロードして完了です!

諸々すっ飛ばしたので非常に簡素で雑なワールドですが、無事に当初の目的を達成しました。

まとめ

はじめての手書き図面を5日間でVR化しました。今回は流れを一気通貫することが目的でしたが、Rhino、Twinmotion、Unityのそれぞれでもっと精細に作り込めます。次はUE4やGrasshopperを弄りたいです。

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