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Saepe creat molles aspera spina rosas. - Ov…

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Saepe creat molles aspera spina rosas. - Ovid

最近の記事

ボードゲームをテストプレイするときの作業量を減らしたい

テストキットを作るタイミングというか、手順によく悩みます。 ゲーム完成までの作業量を少なくしたい気持ちは当然ありまして、具体的に言うと例えばテストキットを調整のたびに作り替えるのは内容物が多いほど手間が増えるし、システムが一旦完成してから正式なグラフィックを作って再度UIテストにかけるのも大変だし、なんならグラフィックを変えたことで表面化する問題やそのタイミングで偶然見つかるバグもあるし、どのタイミングで何を作ってどうテストするのが最適なの? とうだうだ悩んでいます。 基

    • TRPG『パリのカフェ日記』プレイ感想

      前回のゲームマーケット2023秋で買った、アトリエミーミルさんの『パリのカフェ日記』を遊んだ感想です。2回プレイしました。 ゲームの概要内容については、公式の紹介文をそのまま引用します。 1人用ゲームで、ゲームブックと記録用手帳の2冊があります。ゲームブックのテキストを読み、テキストの指示に従って手帳に自分のプレイングを書いていき、その積み重ねが物語を作っていきます。 手帳がフルカラーでシールも付いていてと内容物が豪華なのにイベント価格2000円はめちゃくちゃ安くて、同じ

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      • Duolingoを1年間毎日やって仏検3級には通用するか

        1.前提と結論【前提】 ◆フランス語は大学で一瞬だけやりました。発音とジュースの頼み方ぐらいしか覚えてません。あれから20年(遠い目) ◆筆者の仕事は英日翻訳文の校正と、たまに英日翻訳、趣味のボードゲームでのみ日英翻訳です。なので英語は少しだけできます。読み書きは概ねCEFR C1、会話はいいとこB2くらいだと思います(CEFRについては後述)。 ◆Duolingoは試験日まで473日連続でやってて、うちおそらく50~100日ほどはフランス語に触れてません。ざっと1年強で

        • 先月下旬から、秋ゲムマ新刊『ルールズ・フォー・ルールズ 拡張:英文和訳基礎』の原稿を書いてます。最初は記事のドラフトを一部こっちにアップするつもりでしたが、自分の中の書くリソースは有限なので、今のところそれはできてません。あくまで制作や仕事の副産物としてのnoteですから。

        ボードゲームをテストプレイするときの作業量を減らしたい

        • TRPG『パリのカフェ日記』プレイ感想

        • Duolingoを1年間毎日やって仏検3級には通用するか

        • 先月下旬から、秋ゲムマ新刊『ルールズ・フォー・ルールズ 拡張:英文和訳基礎』の原稿を書いてます。最初は記事のドラフトを一部こっちにアップするつもりでしたが、自分の中の書くリソースは有限なので、今のところそれはできてません。あくまで制作や仕事の副産物としてのnoteですから。

          波乱と海原(テキサスショーダウン)の新版バリアントの紹介

          カードゲーム『テキサスショーダウン(Texas Showdown)』の新版『波乱と海原(Seas of Strife)』がリリースされました。私も旧版は大好きで何度も遊んだゲームですが、ちょうど新版のバリアントルールを昨日遊んだので、その要点を紹介します。 Rio Grande Gamesの公式なルールはこちらから参照できます(英語)。 https://www.riograndegames.com/wp-content/uploads/2023/01/SeasofStrif

          波乱と海原(テキサスショーダウン)の新版バリアントの紹介

          自分用のゲームカードをざくっと印刷するための印刷費覚え書き(2023/7)

          花札をトランプカードの紙にして、両肩にインデックスも載せたいと思ったんです。 というのも、昨日大井町の喫茶マーブルさんで「地方札を遊ぶ会」に参加してきて、講師の草場さんに教えてもらったゲームがすごく楽しかったんです。で、月と点数が札の左肩に書いてある特製札を使ったから遊びやすかったんですけど、花札って当然あの厚い紙ですからシャッフルしにくいし、月と点数のインデックスが左だけだと左利きの人は見られないじゃん? ということを考えてまして、じゃあ「トランプに近い紙を使って、イン

          自分用のゲームカードをざくっと印刷するための印刷費覚え書き(2023/7)

          『ヴォヤージュ(Voyages)』日本語訳リリースノート 2023/06/28

          POSTMARK GAMESからダウンロード販売されている紙ペンゲーム『ヴォヤージュ(Voyages)』のルール日本語訳を一部担当しています。私の担当は、マップ3~5とキャンペーンモードです。 キャンペーンモード「最も勇壮なる冒険(A Most Epic Voyage)」は本日公開しましたが、それに伴い既存マップのルール訳文も一部修正し、全マップのルールをアップデートしました。以下はその詳細です。 『ヴォヤージュ』について700円ほどで買える紙ペンゲームです。POSTMAR

          『ヴォヤージュ(Voyages)』日本語訳リリースノート 2023/06/28

          同じ「自分の好みじゃなかったボードゲーム」の感想を書くときでも、システムデザインに正面から取っ組んでるのが伝われば書き方が穏やかになり、システム(やUI)を軽視していると映れば書き方が辛めになる。自分はどうもそういう傾向があるみたいです。

          同じ「自分の好みじゃなかったボードゲーム」の感想を書くときでも、システムデザインに正面から取っ組んでるのが伝われば書き方が穏やかになり、システム(やUI)を軽視していると映れば書き方が辛めになる。自分はどうもそういう傾向があるみたいです。

          作品は読者のもの、ゲームはプレイヤーのもの

          以前にも書きましたが、作品は読者のものです。作者は単にたまたま作った人にすぎず、作品は作者にとってつねにすでに他者であり、作者はその意味では読者と地位が変わりません。 作者は、作品にとって自分が特権的な地位にいないことを認めなくてはなりません。これは前提であり原則です。もちろん私は自作のデザイナーズノートにおいてそのルールやUIを決めた過程を記述できますが、それもひとつの読解を提供するものにすぎませんし、デザイナーズノートがないと作品の読解ができないわけでもありません。

          作品は読者のもの、ゲームはプレイヤーのもの

          【経過報告】2023年の目標

          1年の折り返しには少し早いんですが、春ゲムマが終わって一段落してるのでやっときます。自分でも忘れそうだし。 ゲーム制作 「中量級新作のルールをひとつ確定させる」 ゲムマ春新作の『赤と黒』をずっとやってたので遅れぎみですが、継続できてはいます。9月頃までに完成まで持っていけたらという目処です。 目標の記事で『トリテとか[…]個人的には当面あまり触りたくありません』『できれば60分以上の作品がいいし、ボードのあるやつがいい』と書きましたが、概ねその通りのものを作ってはいます

          【経過報告】2023年の目標

          ボードゲームのインストに正解はない

          まあまあ、見飽きた話題でしょうけど、たまには自分の考えを書いてみたくなったんでよろしければお付き合いください。内容はタイトルの通りで、話の進め方は論理まっすぐじゃなくて散発的です。 インストとはインストラクションの略で、ボードゲームのルールを説明することです。ですから私は普段インストって呼ばずにルール説明って呼んでますけど、この記事では「インスト」にしたほうが文脈を明示できてよいのでそうします。 インストは手段であるインストは目前のボードゲームを全員が遊べるようにするため

          ボードゲームのインストに正解はない

          初心者向けのボードゲームとは、単に難しさを落としたもののことではありません。要素は極力削ぎ落としても、必要な考えどころやジレンマは減らさないのが理想です。ニムトやアブルクセン、ガイスターのような痺れる体験を提供できるか。だから初心者向けのほうが作るのは難しいと私は思います。

          初心者向けのボードゲームとは、単に難しさを落としたもののことではありません。要素は極力削ぎ落としても、必要な考えどころやジレンマは減らさないのが理想です。ニムトやアブルクセン、ガイスターのような痺れる体験を提供できるか。だから初心者向けのほうが作るのは難しいと私は思います。

          好きなものしかつくれない

          ふと思ったことのメモ、雑談です。結論はタイトルの通りですので、見てだいたいの内容を察した方は以降を読む必要はありません。 筆者はADHDで自意識過剰なものですぐ軽率に趣味の創作をしたくなりまして、その流れでたまーに「小説書きたいな」とか思う時があります。本読んでる時よりはゲームしてる時だとか、あと読んだことはないけどいわゆる「なろう小説」の話題をしてる時とかです。西洋風・ゲーム風ファンタジーの安直なものを作るお遊びをしたいって言えばいいのかな。 で、いざ手を動かしてみると

          好きなものしかつくれない

          ボードゲーム制作に初めてイラレを使って、良かったこと、大変だったこと

          チャオー! 今度のゲームマーケット2023春に、タルトゲームズとして3年ぶりのパッケージ新作『赤と黒』を出します。その工程で、初めて自分でイラレを触ってカード・箱・説明書を作ったので、記憶が生々しいうちに苦労話など書いておこうと思います。宣伝4割の自己顕示欲6割なので期待せずに読んでください。 作品概要 今回の『赤と黒』はオリジナル作品ではなく、400年ほど前のスペインやフランスの伝統ゲーム『トルック(Truc)』を現代向けに洗練させたものです。ルールはほとんど同じですか

          ボードゲーム制作に初めてイラレを使って、良かったこと、大変だったこと

          軸を壊さないために

          高踏的(上から目線)に聞こえることを承知で書くけど、経験上、下手な演奏だけをずっと聴いてると耳はどうしても悪くなる。昔とある合唱のイベントに知り合いが出演するので行って、暇だからと朝から多くの団体を一日中聴いてたら、それなりに確かな自分の絶対音感がすっかり狂ってしまって戻るのに一週間かかった。出演団体の7~8割くらいは音程がぶら下がったり上ずったりそもそも無かったりするから、自分の耳のほうがそちらに寄っていってしまう。基準線が下がる。 いい演奏を聴くだけで耳がよくなるわけじ

          軸を壊さないために

          カードの数字は四隅に載せるかどうか

          カードゲームを作るときの数字(ランク)の話です。時々ぐるぐる考えてしまうので、自分用に短いメモとして書いておきます。原則は2つあって、 1)カードの情報が多ければ、ランクは上半分にしか載せ(られ)ない そうでなければ 2)他人がそのカードをよく見たり触ったりするなら、極力四隅に載せる だと思っています。 1)カードの情報が多ければ、ランクは上半分にしか載せ(られ)ない これは話が簡単で、たとえばカードテキストが載っていたらカードを天地逆にする選択肢はありません。他にも

          カードの数字は四隅に載せるかどうか