サートゥルナーリア 現役復帰叶わず引退へ

サートゥルナーリアの引退が発表された。

宝塚記念後に左背に疲労が溜まり、一向に改善がみられず長期離脱。ジャパンCを目標に調整されるも、次は左飛節に腫れが生じ回避。年が明けてもウォーキングマシン、トレッドミルでのトレーニングのみで乗り運動が出来ない状態にあり、背中の筋肉の衰えが顕著となりつつあった。そして今回、復帰しても最大限のパフォーマンスを発揮できないとの判断から現役復帰叶わず引退することとなり、社台SSでの種牡馬入りが発表された。

思い返せば2歳の頃から脚部不安と闘ってきた。札幌2歳Sの回避も左前脚の球節に疲労が溜まって抜けきれなかったことが要因だった。兄エピファネイア、リオンディーズらも左脚の怪我で引退を強いられた。この一族の宿命なのか。常に自分自身との闘いだった。古馬になり心身ともに完成し、秘めている力をすべて発揮できたらどうなっていただろうか。ともあれ無事に種牡馬入りできた事は良かったと思う。エピファネイアから無敗の三冠牝馬が出たばかりで、繁養先が社台SSという事からも需要の高さが伺える。悔しさや想いは産駒へ受け継がれるであろう。

皐月賞でのヴェロックスとの死闘を今でも鮮明に覚えている。馬体がぶつかり合いヒートアップしたまま並んでゴールイン。辛勝ではあったが、サートゥルナーリアの臨戦過程を思えば着差以上のパフォーマンスだった。レイデオロでも成し遂げられなかったホープフルSから皐月賞直行ローテでの勝利。変遷しつつあった「前哨戦を使って仕上げる」という近代競馬の常識を完全に打ち砕いた勝利だったと思う。

19年ダービー馬 ロジャーバローズ
19年マイル王 アドマイヤマーズ
19年総大将 サートゥルナーリア

世代の代表馬たちがターフを去った。残された戦友ら、ヴェロックス・ワールドプレミア・ダノンキングリーには意地を見せて欲しい。牝馬最盛期真っ只中の今、牡馬の意地を見せて欲しい。1時間後に迫った日経新春杯、ヴェロックスがこの世代を牽引すべくまずは6億円ホースとの対決に挑む。

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