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蹴球症候群

他分野を通してサッカーを解明し、サッカーを通して他分野を解明する
サッカー、またはサッカー以外の分野から日々何を学んでいて、何に気付いて、何に疑問をもち、どんな風に… もっと詳しく
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2021年2月の記事一覧

サッカーに「テンプレートは必要か?」問題について|パターン・マッチングと効率化

Photo:@photofoot23 変化は、ほとんどの場合「効率化」に向かいます(向かうことを人間が好みます)。サッカーというゲームを見ても、10年前と何がどう違うのかを考えると、「効率化」にあると思っています。西洋人が昔、権力や信仰や慣習に争う形で「科学」を発展させたように、サッカーの世界でも、西洋人はゲームにおける仮説をたて、実験し、データを集め、サッカーを科学的に発展させてきました。その結果、サッカーの世界には「テンプレート」が溢れています。まるで、企業戦略をテンプ

「サッカー」と「ホルモン」についての考察

医療系の学校に通っていた学生時代、ホルモンのことはよく勉強しました。焼肉で食べるホルモンではなく、私たちの身体にあるホルモンの話です。 ある本を読んでいた時、興味深いトピックがあったので考えてみたいと思います。 ・・・ そもそもホルモンてなんぞやという方のために、軽く説明します。 Googleでホルモンと検索すると1番上にこれがきます。キレそうです。ホルモンというのは、専門用語で言うと内分泌系(外分泌系は汗とか唾液などです)と呼ばれるもので、血液中を移動する「情報を伝

舞台に立つ人と舞台を観る人 『脳と肉体の分離』

著 稲本正の『脳と森から学ぶ日本の未来』は、学ぶところが多い。ジャンルをまたぐ著書というものは、何らかの軸によって構成されているからこそ、あらゆる脱線に整合性が確保される。広域的に学ぶことができるからこそ、視野を広げるきっかけを得ることができる。本書はその典型例だと思う。 「書評」をすることはできないから、一つの章にライトを当てて、サッカーをする者として感じたことを記述しておきたい。 ・・・ 脳と肉体の分離 ——近代化が招いた、いくつかの事——第4章の中では、スポーツや

「早く起きる」という行為について

「(何らかのことを達成しやすい)方法」を知っているかどうかで、人生は結構、変わったりする。習慣をつくる、というのはほとんどの場合テクニックで、方法を知っているか否かで、未来が変わることのひとつだ。人というのは、その「方法」を他者に共有したがる生き物であるから、巷には「習慣のつくりかた」を説いた教材が溢れている。そうやって、人類は進化してきた。本来、方法の前に何かがくるはずなのだけど、それを時に忘れてしまうのもまた、人間っぽさだ。 『早く起きる』という習慣は、あらゆる観点から

【記録.1】『チームの始動と、生まれて初めての経験』

1月30日、待ちに待ったプレシーズンが始まりました。これからシーズンが終わるまで、タイミングを見て『蹴球症候群』に記録を残していけたらと思います。 写真:@photofoot23 帰国からアルゼンチンから帰ってきて2ヶ月以上がたち、その間は、日本の生活リズムと慌ただしさに慣れることに必死でした。3年だけとはいえ、やはり無意識に身体の中に流れている時間はアルゼンチンで暮らしていた時のもので、不思議と、アルゼンチン人の友達とテレビ電話で話をすると、ものすごく安心する、などの現

「目標」と「目的」の違いについて——目標を安易に定めてはいけないのは何故か

人生の目標は何かと聞かれた時、私は答えることが出来ません。人生の目的は何かと聞かれると、答えることが出来ます。自分には、例えば何か「モチベーションを保つ」とか「強い思いを持つ」などに関して、目標というものが必要ないので、最近まで、目標はどんな状況でも必要のないものだと思っていた節があります。ただ、どうやら「目標」の正しい使い方が見えてきた気がするので、まとめてみます。 ・・・ 目標と目的の違い私にはとにかく、(これまでの自己観察によると)何かをするためには目的が必要になり