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蹴球症候群

他分野を通してサッカーを解明し、サッカーを通して他分野を解明する
サッカー、またはサッカー以外の分野から日々何を学んでいて、何に気付いて、何に疑問をもち、どんな風に… もっと詳しく
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2022年1月の記事一覧

時間とエネルギーを費やしていたことが終わった人は。

これから、どうしていこうかと考えている。日本に帰ってきた瞬間から一年以上少しずつ合間を縫って書いてきた本の執筆が終わって、その分に費やしていた時間が、一気に空くことになる。 高校生のとき、数週間続くテスト期間が終わると、部活帰りの電車の中で勉強をせずに小説を読めることに毎回気づく瞬間があって、それはそれは爽快な感覚があったし、専門学生の集大成として受けた国家試験が終わったときは、人生最大の開放感があった。それらの感覚に近い気がしている。 時間とエネルギー。何をするにしても

美しくも過激な理論

人がまだ解明していなかったことを明らかにした者の気分は、どんなものか。何かを発明した者の気分は、どんなものか。 史上もっとも偉大な科学革命の一つとされている「量子論」の確立へとつながる数学的構造の着想を得たのは、わずか二十三歳の若者ヴェルナー・ハイゼンブルグだった。 最初の項で[ボーアの規則に沿う]正しい結果が出たように見えたとたんに、わたしは興奮のあまり次から次へと計算間違いをし始めた。そのせいで、計算結果がすべて目の前に出そろったときには、午前三時を回っていた。すべて

ブラックボックスを省くな。

生きているだけで、人間は何かを入力し、出力し続けます。しかしある意味で自然に反して、意識的に入力し、その結果としての出力に期待をする場合があります。意識的に机に向かって勉強をするとき、などがその好例と言えるでしょう。もっと広く言えば、「学習」をするとき、あるいは何かしらの「向上」を求めるとき、私たちは「入力」と「出力」の関係を暴こうとします。 『このように「入力」したから「出力」がこうなった』と整理することができれば、また同じように「入力」をすることによって、期待している「

The 2022年 has started.

新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。 アルゼンチンから帰国し、振り返るのも億劫なほど濃密だった2021年もあっという間に終わりを迎え、どうやら2022年がスタートしたようです。サッカーの世界で生きていると(あるいは皆様なのかもしれませんが)、1年ごとに「シーズン」として区切られ、ある意味で再スタートの連続、1年1年が勝負となります。そんなこともあり、武者震いといいましょうか、これから始まる短いようで長いシーズンに向けて、居ても立っても居られない