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現代スポーツが"ナポレオン"から学ぶべきこと


『新世代サッカー指導者のWEB戦略』vol.2

私は、少し奇妙なことを言っているように思われるかもしれません。このようなスポーツを取り上げる媒体で、サッカーの監督を目指している人間が、なぜ「WEB戦略」なるものを語っているのか。


■ベルナール峠からアルプスを越えるボナパルト

本題に入る前に、前回の記事で触れたナポレオンの話をもう少し掘り下げていきます。ナポレオンと言えば、何といっても『ベルナール峠からアルプスを越えるボナパルト』。前脚を大きく振り上げる白馬に乗ったナポレオンが、私たちの頭に強烈な印象を残しています。

ナポレオンが皇帝になる前に、画家ダヴィットに書かせたこの肖像画は、実は「彼を描いたものであって彼を描いたものではない」のです。なぜなら、この峠を超えたナポレオンは、国家元首の象徴である白馬ではなく、ロバに乗っていて、すらりとした体型、整った顔、それら全てが、本当のナポレオンとは相反するものだからです。


■ナポレオンの"イメージ戦略"

あの肖像画を知っている人がいても、それがナポレオンの「イメージ戦略」であったことを知る人は、そう多くはありません。彼は、肖像画を自身の帝位と帝国の「イメージ作り」に利用したのです。

ダヴィットはこの絵の複製を少なくとも4枚製作し、弟子たちにも数枚製作させています。その結果、この肖像画は誰もが知る英雄ナポレオンのイメージとして定着しました。このイメージが、皇帝になる際の国民投票で有利に働かなかったわけがありません。まさに現代の政治家のポスターにもつながる、イメージ戦略の先駆者だったのです。  ——世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」木村泰司より

彼の本当の姿は、下の肖像画に近いと言われています。彼が行った「イメージ戦略」から、私たち現代スポーツと関わる人間はヒントを得なければなりません。


■"イメージ"を形成するもの

「イメージ戦略」は前述しているように、少なくともこの肖像画が描かれた1801年から行われており、時代の変化に応じて様々な形で行われてきました。ナポレオンの時代は「肖像画」、少し前の時代であれば「テレビ」、そして現在であれば「WEB」という風に「個人や組織のイメージを形成するもの」が、時代の変化に伴って大きく変わってきました。

現代では、「実際にその人間(組織)と接している時間」よりも、SNSを通して接している時間の方が、はるかに、はるかに長いのです。あるスポーツクラブのファンは、実際にスタジアムに足を運んでいる時間よりも、WEBやSNSを通じてクラブと接している時間の方が、はるかに長くなります。それが、私がこれから、このようなスポーツを扱う媒体で『WEB戦略』を連載する理由です。

スポーツにおける、「表に出る個人及び組織(選手、監督、クラブ等)」においては、WEB戦略を行った方が良いのではなく、避けては通れない道なのです。



著者:河内一馬

92年生まれ / サッカー監督 / アルゼンチン指導者協会名誉会長が校長を務める監督養成学校「Escuela Osvaldo Zubeldía」在籍。サッカーを非科学的観点から思考する『芸術としてのサッカー論』を執筆中。

Twitter:@ka_zumakawauchi


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河内一馬

1992年生まれ(27歳)/ アルゼンチン在住 / サッカー指導者 (南米サッカー協会 B ライセンス)/ 監督養成学校在籍中 / サッカーカルチャーブランド「92 F.C.」Founder / NPO法人 love.fútbol Japan 理事

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