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海外旅行を楽しむための下調べ

海外旅行の前には色々調べごとをしますよね。

入国やビザ、お金、交通のように基本的な情報もあれば、「どんな食べ物が美味しいかな?」「観光名所はどこかな?」「お土産は何がいいかな?」など、色んなことを考えると思います。

もちろん、こうした下調べも大切!
わたしも旅行前はGoogleマップや旅行口コミサイトを使って、現地で訪れたい場所や食べたいモノなどをチェックすることが多いです。

モロッコ、タジン(鍋)料理



でも、それと同じくらい旅行前に大切にしているのは、その国や地域の歴史を勉強しておくことです。

「勉強」と言っても、学校の世界史のテストではないので、無理やり用語や年代を暗記をするようなことはしません笑。とりあえずは、ざっくりと大まかな流れだけ確認するようにしています。

すべての歴史を満遍なくカバーするのも大変なので、どちらかと言えば近現代史を中心に確認することが多いかと思います。もしくは、旅先で史跡などを訪れる予定ならば、関連する時代を中心にチェックすると良いかもしれません。


「えー!せっかくの旅行なのに勉強なんかしたくない」という方もいるでしょう。旅行の目的が「グルメ・買い物」という場合や、細かいことは気にせず単純に美しいモノを楽しみたい、という場合もあると思います。

もちろん、それならそれでOKですし、旅の楽しみ方は人それぞれです。旅行に何を求めるかによってちがいますよね。

ヨガが目的だったバリ島旅行




ただ、史跡や何かしらの施設(博物館とか建築物など)を訪れるのであれば、背景知識を持っているほうが、より深く楽しめるのではないかと思います。

たとえば、「カンボジア」は分かりやすい例です。

ざっくりとした歴史知識を持っているだけで、旅の「解像度」がかなり変わると思います。

カンボジア、王宮前にて

カンボジアと言えば、超有名な世界遺産「アンコール・ワット」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。実はカンボジアには、アンコール・ワット以外にも数えきれないほど多くの遺跡があって、数回の旅行ではとても制覇できないほどです。

「アンコール王朝」が存在したのは、約600年間(Pre-Angkor時代を含めればもっと長い)。日本では平安時代から室町初期にあたる時代です。

当時、東南アジアの広大な地域を支配した大帝国だったのですが、残念ながら、その存在はあまり日本で知られていません(学校の教科書で東南アジア地域が登場するのも数ページ程度ですし……)

また、遺跡の多くはヒンドゥー教なのですが(仏教寺院もあります)、日本人にあまり馴染みのない宗教なので、あまりピンとこないことも多い気がします。

そうすると、遺跡観光の際に何が起きるか。


アンコール・ワットの場合には、その巨大な見た目自体にインパクトがありますし、「これがあの有名な……!」という一種の感動もあります。端的に言えば、すごく盛り上がるんです。

ところが、それ以外の遺跡になると、見学の後半に進むにつれて、だんだんテンションが下がっていくのが明らかに分かります笑(今までの個人的な経験に基づく)

カンボジア、アンコール・ワット


わたしの場合は、ある種の「遺跡オタク」なので、同じ場所であっても訪れるたびに新しい発見があって興奮しっぱなしなのですが、おそらく多くの人はそうではありません(…よね?たぶん)

もちろん「仕方ないかなぁ」と思う反面もあるのですが、遺跡にどハマりしている人間側からすると「もったいない!」と反射的に感じてしまいます。

マニアックな部分まで調べる必要はないと思うのですが、歴史的な流れとか当時の宗教観とか、表面的な部分だけでも知っていたらもっと楽しめるのに……と思うこともあります(わたし自身も、それほど深い知識を持っているわけではないのですが)。

「きれいだね」
「迫力があるね」
「面白いね」
「神秘的だね」
などなど、直感的な感想もすごく大切。

でも、そこに「知識」が加わると、体験がより一層深まります。

「あっ!これが本に書いてあった〇〇なのか!」と、知識と体験が結びつく瞬間はとても気持ちいいです。

カンボジア、バンテアイ・スレイ遺跡

学生時代に一緒に東南アジアを周遊した恩師は、よく「百聞プラス一見の力」と話していました。体験の価値を高めるためには、それを支える知識や理解が大切だ、ということだと思います。

カンボジアの遺跡に限った話ではなく、スペインのサグラダファミリアも、シンガポールのマーライオンも、金閣寺や銀閣寺も、多少なりとも背景知識があったからこそ、楽しむことができた気がしています。

スペイン、サグラダファミリア


また、カンボジア旅行の場合には、クメール・ルージュや内戦などの「負の歴史」に触れる機会もあると思います。

カンボジアの近現代史はとても複雑なので、細部まで理解するのは大変ですが、やはり歴史知識があるかないかで「解像度」はかなり変わります。

カンボジア、通称「キリング・フィールド」

カンボジアに限った話ではなく、東南アジア地域の多くは、太平洋戦争時代に日本と大きく関わりのある国ばかりなので、知っておいて損はありません。

ちょっと話が逸れますが、お恥ずかしながら、わたしはシンガポールに移住するまで「昭南島」のことをまったく知りませんでした。昭南島とは、かつてシンガポールが日本陸軍によって占領されていた時期(1942-1945)の呼称です。

シンガポール、シロソ砦

「そういう重たい話はちょっと……」と避けがちですが、個人的にはとても重要だと思います。

仮に現地の人から歴史の話題を振られたときに「何も知りません」と答えるのは、いささか居心地が悪いです。*基本的にこちらから政治や近現代史の話題を振ることはしませんが、ごく稀にそういう話題になることもあります。

フィリピン、サンティアゴ(サンチャゴ)要塞
ベトナム、統一会堂(元南ベトナム大統領府)


時には「え、日本人なのに自分の国やアジアのこと知らないの?」と言われて、なんだか負い目のようなものを感じたこともありました。

自己防衛のためにというわけではありませんが、やっぱりその国を訪れる以上は、ある程度の知識を持っておくことは必要かなと個人的に思います。

ただ、義務感でやろうとするとしんどいので、ほどほどで大丈夫。わたし自身は、そういう作業が苦ではないので、主にインターネットや書籍で下調べをします。


「なんだか修学旅行みたいだね笑」と言われたこともありますが、これが自分なりの「旅を楽しむ秘訣」です!

皆さんはいかがでしょう?旅行前に必ずチェックする内容はあるでしょうか?旅行のために下調べしていることがあれば、ぜひ教えてください。



みな


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