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移りゆく季節に

ある朝
目を覚ましたら


口が死人のように固まっていた。


もちろん死んだことがないので
実際のところはわからないが
口が自分の意思とは関係ないところに存在しているような違和感。

そっと動かしてみる。

動いた。

口の中は乾ききっている。
ドライマウス?
全開口で眠っていたのかしら?

ナイトスタンドに置いているフルーツティを含んでみる。
なんだか
動きがスムーズでない・・・。

はて?いったい?
思い巡らすと

しばらく誰ともしゃべっていない!

これは仕事が休みだった8月のこと。
親しい友人のレノアは北へ旅行中で
スーは義父が具合悪くなったため夫と一緒に南に下っている。
おしゃべりご近所ローリーは家を建て壊しているため不在で
いつも世話をしていた隣の男の子たちもここのところ姿を見ない。
間借り人Eもハンティングに行ったままだ。

やばい

口の筋肉が動かなくなった。。💦
ベッドで寝た切りだとあっという間に足の筋肉が落ちるように
口も使っていないと動かせなくなるのかもしれない!

あんなにおしゃべりだった私が・・・

そういえば
亡くなった夫ジェイにいつも語りかけていたのに

最近
それもすっかり忘れてしまっている。

季節が知らないうちに移り変わっていた。

非日常が続いていたあの時
何が日常かさえも
わからなくなって

あるいは非日常であることが
日常となっていたのかもしれない。

日本語で考える余裕すらなかった日々。
まさに嵐。
心臓がひゅるひゅると悲鳴を上げて
次から次へとやって来る非日常に
頭の中は常に情報処理でフル稼働。
電源offにすることがなかったくらいに。

それが今
あんなに激しかった季節さえも
夢の中だったのではないかと
そんな気にさえなる。

穏やかである。

夫ジェイがいた頃からは考えられないくらいの
”非日常”だ

ジェイとハンティングに行ってさあ
ジェイはドータグ(雌鹿を獲るためのその年の許可証)を持ってたけどこっちはなくてさ
だから撃つなってジェイは言ってたのに、雌鹿が突然現れると何で撃たないんだってツリースタンドの上から怒鳴って来るんだ。こっちは木の下にいてさ、見えないわけよ。ジェイはツリースタンドの上で。見えてたけど角度がよくなかったのか知らないけど
撃つなって言ったのはそっちだろって、いってさあ・・・

間借り人のハンターEが時折思い出してはジェイと行ったハンティングの話をしてくれる。
それを最近は大笑いをして聞いている。
ジェイらしい!

季節が変わって
裏庭ではガーデンの整理。
まだかろうじて緑の残るペッパー類と
今ごろになってやっと赤くなり出したトマトを残して。


今年もお疲れさまのきゅうりたち
力果てた葉っぱ、実らす余力もなくなって

ところが!
今もすくすく育っているものがあった

その名もジュルースラム アーティチョーク。
それはひとけたの気温の夜をものともせず
とうとう私の背丈より高くなってしまった。

以前記事にしたがその根の部分は食べ過ぎるとオナラがですぎて
ファー(おなら)ティチョークという不名誉な名前まであるというもの。
ローカル野菜のデリバリーでやってきたのを植えたら育ちすぎ💦

掘り起こす時期を思案中だ。


こうしてガーデンのメンバーは入れ替わり
スーパーマーケットでは野菜の陳列台を
りんごが占拠するようになった。

ずらりと並んだりんご🍎たち

そうそう
最近友人が増えた。
ライラック通りに住むマリーン。フィリピン系のウォーキング仲間。口の運動に(笑)彼女を誘ってビーチパークまで歩くとしよう。
彼女とてもおしゃべりなの。

ひとつずつ季節は進んでゆく
確実に

ふと気づけば

生活が変わってきている
少しずつ
知らない間に

おとなりのメイプル

日本とカナダの子供たちのために使いたいと思います。