ながつきかず

カナダ在住。アメリカ人夫の闘病そして在宅看取りを経験したのがnoteを始めるきっかけ。…

ながつきかず

カナダ在住。アメリカ人夫の闘病そして在宅看取りを経験したのがnoteを始めるきっかけ。そして書くことでどれだけ助けられたことか。生活の半分は東京で子供の体験型英会話教室主宰。モンテソーリ教師国際免許。元情報誌ライター。 撮れたて湖畔の風景と共に。

マガジン

  • 旅の支度

    友人と旅へ~きっとドタバタあるだろうなあ、今からそんな予感。

  • SeaGLass~シーグラス

    その瞬間は尖って、触れれば血を流さんばかりの鋭さで。そんな割れたガラスも海の波に、川の流れにそして湖の戯れにさらされるうちに、その怖いばかりの鋭利さを失ってゆく。 ここには今は触って丸みを帯びむしろ温かさまで感じるようになったひとつのガラスの破片を集めていきます

  • 湖畔の家作り

    夫が作りかけのまま残した湖畔の家を完成させていきます(いつ完成するか不明)。建築知識ゼロの私。おっちょこちょいエピソードは変わらずあり。ユニークアイディア満載のアメリカ人夫との壮絶バトルの思いでも(笑)

  • 湖畔の情景と仲間たち

    カナダ.オンタリオ州。シムコー湖畔で私の心をとらえた風景です。日の出、月の出、水鳥。そして裏庭に住む仲間(?)たち

  • 裏庭ジャーナル

    家庭菜園、裏庭に訪れる野生の動物たち、そしてもちろんりんごの木。湖畔の家の裏庭で見つけたことをつづります。

最近の記事

  • 固定された記事

りんゴ物語

カナダにある湖畔の家には東に2本、南側に沿って3本のリンゴの木がある。 どれもまだ人間でいえば、青年になるかならないかの若さである。とりわけ東のは、2年前ただの棒切れ状態でこの裏庭にやってきた。 リンゴの木を植えよう そう言い出したのは夫である。 ちょうど近くのリンゴ園が閉鎖されることになって、私は挿し木用の枝を分けてもらいに行った。いったいこの棒切れが、リンゴのなる木に育つのだろうかと思いながら、裏庭に植えた。 夫が自宅で緩和ケアに入った頃の事だ。つまりこの棒切れ、

    • 湖畔の春のきざし

      玄関ドアを開けると同時に 飛び降りるような角度から飛んでいく鳥の後ろ姿が見えた。 モーニング・ダヴだ。 ポーチの上を見上げるといつもの場所に巣。 たいてい朝に聞こえてくるその鳴き声で 夫が言うその名を私は勝手に morening(朝) dove(ハト)と決め込んでいた。 あの日、在宅緩和ケアに入っていた夫だったが、ひとりで起き上がってベッドのへりに腰掛け、私を見てその隣をトントンと叩いた。 私はさされたままに夫の隣にくっついて座る。 ふたり並んで窓の外の朝をしばらく眺めて

      • ノーサンキューです....。

        湖畔の家の間借り人Eが おばさんがカズに木をあげたいって あら何かしら? と嬉しく思って おばさんちにあるというその木の写真を見たら @.@ いやいやいや..… なんでも Norfolk pine tree という名前らしく おばさんは家の中で育てて何年にもなるらしい。 夜この木の影に遭遇したら こ、怖すぎる〜 家の中で育てるなんて絶対無理だし..… 丁重にお断りいたします...…

        • グリルドチーズ・サンドイッチがソールフード

          北米はサンドイッチ文化だからね アメリカ生まれでカナダ移住民の夫ジェイが言っていた。 ランチ用に自分で エッグサラダサンドイッチ(卵サンド)やセロリのみじん切りの入ったツナサンドイッチをよく作っていた。 プルドポーク(糸状に裂けるくらいに柔らかくなったスモークしたポーク)サンドイッチの美味しいお店を知っていて、それはカナダとアメリカの国境近く・・アメリカ側にあった。 こんなこともあった。 日本からカナダに帰国した時のこと。 長いフライトの後やっと湖畔の家に着いて 小腹が

        • 固定された記事

        りんゴ物語

        マガジン

        • 旅の支度
          2本
        • SeaGLass~シーグラス
          12本
        • 湖畔の家作り
          14本
        • 湖畔の情景と仲間たち
          68本
        • 裏庭ジャーナル
          14本
        • くすッな話400
          18本

        記事

          エドヒガン~旅の支度2

          今夏、友人のNanaと旅をする。 その下準備のために色々調べていると物事はあらぬ方向に進んでいく。 (私のあるあるである) 前回はベーグルであった。 そして今回は、旅の前に彼の地の歴史を(軽く・(笑))知りたいと手にした一冊の本が・・・実は壮大な物語であった。 小説仕立てだが、史実に基づいて進められてゆく。 そのごく最初のところで、こんなくだりがあった。 私にとってもまさしく、桜はいっせいに咲き、あっという間に散るものである。東京の家の裏庭に一本の古い早咲きの桜がある

          エドヒガン~旅の支度2

          旅の支度1 ベーグル

          ベーグルとの出会いはいつだったろう? 多分1991か2年のL.A.で。 スーパーマーケットのコーシャ―(Kosher・ジューイッシュのレシピに沿って作られたもの)の食品が置かれた棚。 ドーナッツ型のパン。 買ったものの、なんせドーナッツを期待した舌でそのまま食べたものですから、←食べ方を知らなかったわけで。 美味しくなかったんだと思う。その後の記憶がまったくない。 その次に出会ったのが東京に住む友人宅で。 彼女はジューイッシュで、東京赴任中アメリカからコーシャ―の食品を取り

          旅の支度1 ベーグル

          カナダが夏時間になっているのを忘れてた。先週仕事で何度も確認したというのに自分のヨガクラスでぬかり。日本時間朝8:30開始のつもりが7:28amに友人から”ヨガクラスよ~どこ~?”のメッセージ。慌ててzoomに繋ぎ笑顔だけ見せてPCの後ろに回って身支度キツキツlululemon。

          カナダが夏時間になっているのを忘れてた。先週仕事で何度も確認したというのに自分のヨガクラスでぬかり。日本時間朝8:30開始のつもりが7:28amに友人から”ヨガクラスよ~どこ~?”のメッセージ。慌ててzoomに繋ぎ笑顔だけ見せてPCの後ろに回って身支度キツキツlululemon。

          ガイジ~ン

          先日、日本に住むある友人と話して 驚愕なことがあった。 アメリカ国籍の彼は日本に住んで32年。 来日以来都内あちこちの大学で英語を教えて来た。 日本人女性と結婚し 東京で住居も購入。 その彼が先日、日本の永住権申請をして却下されたと。 却下の理由が、 2年ほど前、住民税滞納が一度あったと。 どゆこと~? 32年日本に住み働き固定資産税も払い、んでなんで数日の住民税滞納が理由で永住権が取れないの? なんでも数年前から移民への規制が一段と厳しくなったと。 (彼の弁)

          チーズフォンデュ

          その日 チーズフォンデュをしようと言いだしたのは夫のジェイだ。 少し前、近所のHome hardware のチラシにフォンデュ鍋のセールが載っているのをジェイが見つけて私が買いに行った。 夫は車椅子で在宅緩和ケアに入っていた時だ。 買ってきた小ぶりのフォンデュ鍋はふたり分に丁度いい大きさで、一度チーズフォンデュをした後、すぐまたチョコレートフォンデュにも使って 私たちはそれをとても気に入っていた。 急激に落ちたジェイの体調は一旦嘘のように回復する。 そんなアップダウン

          チーズフォンデュ

          キャンドルライト・コンサート

          坂本龍一の名曲集at王子ホールに足を運んだ。 これは、Feverが主催する文字通りキャンドルライトの下で行われるコンサートのひとつで、その各種公演は世界180ヶ所に広がっているらしい。 この日のピアニストは、坂本龍一氏の大学の後輩でアルバム作りにも参加したことがあるという山中惇史氏。 揺れるキャンドルライトに包まれてシェルタリングスカイを皮切りにエナジーフロウ、ラストエンペラー 東風(Tong poo)など坂本氏の名曲が披露された。 1時間余りのコンサートも中盤にさし

          キャンドルライト・コンサート

          ヴィ―ガンな日

          むかし、ベジタリアンだったんだ。 夫が言った。 はあ??? ハンターなのに? 10歳の頃自分のライフルを手にして以来のハンターだと言っていたのに? カナダ・オンタリオでは自分で狩ったモノは必ず自分で食べなければいけないというルールがあるのに??? 亡くなった夫は そんな不可解のことを言ってたっけ。 でもアメリカからカナダに移住して オーガニック食品の開発に尽力し トロントで豆腐屋さんを始めたり ダイズを主に、ベジタリアンのレストランを経営したりしていたから きっとそ

          ヴィ―ガンな日

          かつて居た場所とかつての彼と

          私は自分の殻をずっと抜け出せなかったけれど そうでないカズのことがうらやましかった 先日30年ぶりに会った学生時代の友人と食事をして 初めて知ったことがあった。 XXさんが私に会いに来てカズのことを聞いて来たのよ かつての友人は、そのころ付き合っていた私のうんと年上のボーイフレンドXXさんのことを知っていたのである。 彼は私が当時働いていた編集プロダクションのボスで お察しの通り”ふたり”になんやかんやあり 私はその編集プロダクションを辞めたのち 別の編集プロダクショ

          かつて居た場所とかつての彼と

          渋谷で朝カフェ

          渋谷に用事で出かけるときは時間をわざわざ作って朝カフェをすることにした。 朝は通りもお店もすいているしね。 Roasted COFFEE LABORATORY コーヒーの種類が色々ありお店の人がフレーバーを丁寧に説明してくれる。 深煎りすぎないものを選ぶ。 café 1886 at Bosch 渋谷警察署から六本木方向へ少し歩く六本木通り。 気付くだろ~の存在なのに全く気付いていなかったこのカフェ。 会社ビルに囲まれて。 モダンとレトロと ドイツのメーカーBosc

          渋谷で朝カフェ

          緋銅

          緋銅とは 銅製品を探していた。 銅と言えばたくさんのお鍋があった。 カナダ湖畔の家のキッチンの壁に ずらりと並んでいる。 料理好きの夫ジェイが集めたものだ。 しかしですね、なにが大変って、くすんでくる鍋たちを磨くこと。 二人で並んで黙々と磨いたのは、何年前のことだろう? 卵焼きには銅がいちばんと言うけれど さすがに卵焼きを知らないジェイの収集にその選択肢はなくて。 でもこれ以上いらないよなあ~クッキング用の銅製品は。 そんな折、たまたまネットでみつけたのが緋銅。

          第二言語:そういうことだったか!と最近分かったこと

          梅が咲いた 3年前母が亡くなったあと ずっとお世話になっている植木屋さんに 奈良の家から東京に移植してもらったものである。 勝手に上がって来たYoutubeをなんとなくクリックした。 もともと第二言語の習得について関心があり、勉強したり、自分の経験に照らし合わせたりしてきた。 ベッドの中で聞くでもなく聞いていたら 3:50あたり。③heals Trauma 第二言語でトラウマを語る効用。 私にとって第二言語である英語は、母語の日本語より感情に密着していないのは経験で

          第二言語:そういうことだったか!と最近分かったこと

          人のタイトル付けに疎くなった話

          仕事でのお付き合いだけだった日本の知人を招いて一緒にランチをした。 かつて自分がいた場所が懐かしくなった。 昔、姉がいつも自分の友人の話をするのに前置きがあった。 OO大学を出て、XXに勤めている△△役職の人、 あるいはその奥様なんだけど という説明。そこに正確な年齢がついているときもあった。 あるとき なぜいつも出身大学名から言うの? と聞いたことがあった。 しかし 私自身も姉の説明から 瞬時にその人を頭の中でカテゴライズしていたことに気づいた。 そしてそれは私の思

          人のタイトル付けに疎くなった話