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イランのローハニ―大統領は、トランプと会うべきか?会わざるべきか?

 イランのハサン・ローハニー大統領が、近くアメリカへ行く。国連総会に出席するためにニューヨークを訪問する。その際に、やはり同総会で演説するドナルド・トランプ大統領と会談するかどうかに注目が集まっている。どうもトランプは会いたがっているようだが、ローハニ―はイランに対する経済制裁の解除がなければ会わない方針のようだ。

 北朝鮮の金正恩は、喜んで無条件でトランプと会談したのに、なぜローハニ―は条件を付けているのだろうか。ひとつには、北朝鮮は金正恩の独裁下にあるが、イランは違うからだ。金正恩が手の平を返すように方針を変えても、誰も文句を言えない。イランは、色々な人々が色々と発言する自由がある。アメリカからの何の譲歩もないのに、ローハニ―としては会談には行けない。

 トランプとしては会談をして並んで写真を撮ってもらえば、外交的な成功の幻想を有権者に訴えられる。ローハニ―の方は、そうは往かない。ニコニコして見ても、経済制裁の解除を勝ち取らねば、意味がない。一緒に写真に写ってトランプの再選を助けるつもりは、イラン側には、さらさらない。イランが希望しているのは、即時の制裁の解除である。悪くとも2020年の大統領選挙でのトランプの落選である。民主党の有力候補者の間では、バーニー・サンダース上院議員のように、大統領になったらイランとの核合意に復帰を約束している者もいる。ということは、経済制裁が解除されるわけだ。

 トランプが何らかの形で経済制裁の解除を提案するかどうかに、両首脳の会談の実現がかかっている。

 9月17日のイスラエルの総選挙へ配慮して、トランプとローハニ―の会談は行われるにしても、その発表は18日以降となるだろう。両者の会談の報道は、対イラン強硬派のイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の国際的な孤立を有権者に印象づけることになるからだ。同首相への逆風になりかねないからだ。

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