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イランとアメリカ間のシャドウ・ボクシング

アメリカとイランの間での武力衝突の危機が高まっている。実際のところ、この何年かに渡り両国はシャドウ・ボクシングをしているような状況である。たとえば6月のアメリカのドローン(無人偵察機)の撃墜である。アメリカのドローンが損害を受けるのは、実は今回が初めてではない。イランのドローンに対する攻撃能力は侮(あなど)れないレベルに達している。既に2011年12月にはアフガニスタンのアメリカ軍基地から離陸しイランを偵察していたドローンがハッキングされてイランに捕獲されるという事件があった。アメリカは、事故でイラン領内に墜落したと説明したが、機体が無傷に近い状態であったことから、説得力はなかった。

ハッキングされたドローンは当時として最新鋭で機密にされていたRQ―170である。このハッキングの7か月前、つまり2011年5月にパキスタンに隠れていたオサマ・ビンラーディンをアメリカ軍の特殊部隊が殺害した。この作戦をホワイトハウスにテレビ同時中継するのに使われたのが同型機と報道されている。

イランは、このドローンから多くを学び、自国のドローンを製造しているようだ。シャドウ・ボクシングが実際の殴り合いにならないように祈るばかりである。


写真はイランに捕獲されたアメリカのドローン

ファールス通信社提供



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