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ペルシア湾岸危機とインドの憂鬱

    ペルシア湾岸の内外でのタンカーがらみの事件が相次いでいる。これに対して自分の国のタンカーは自分で守るべきだとトランプ大統領がツイートした。ツイートとは、ささやくという意味だそうだが、この「ささやき」が世界中に鳴り響いた。日本でもタンカーの護衛のために海上自衛隊の艦艇を派遣すべきかという議論が始まっている。

 ペルシア湾岸の石油を世界で一番買っている国は日本だが、次は恐らく中国だろう。中国のタンカーを自分で守るとなると、中国海軍がホルムズ海峡付近に派遣されることとなる。この海峡を支配すれば、東アジア、東南アジア、南アジア諸国のエネルギー源を押さえられる。そんな戦略的に重要な場所に中国海軍が、進出するのだろうか。ぞっとするシナリオである。

 ホルムズ海峡経由の石油とガスが東アジアと東南アジアと南アジアの経済を支えている。そのノド元に中国海軍が招かれる形になるのだろうか。

 この可能性に一番敏感に反応しているのがインドである。中国と国境紛争を抱えるインドは、中国のインド洋方面への進出に神経質になっている。 それでなくとも、ソマリアの海賊対策としてアラビア海周辺には中国海軍が展開している。日本やアメリカと同じアフリカのジブチを基地としている。アラビア海への展開も国際社会に招かれる形で中国は実施した。今度はペルシア湾なのか。インド人でなくとも憂鬱になった方が良い。

写真は中国海軍の艦艇

U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 1st Class Shannon


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