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ボルトンの出自

9月10日にドナルド・トランプ大統領がツイートで国家安全保障担当のジョン・ボルトンを解任した。そのボルトンのイメージは、叩けばコンコンと音がしそうなネオコンの権化である。周囲の空気を読まない徹底した強硬路線を主張して、強硬には見えたいが、本当は戦争や対立を避けたいトランプの路線と衝突していた。このボルトンの周囲の空気を全く読もうともしない行動は、どこからくるのだろうか。そうした疑問を抱いていた。

今年の4月29日付けの『ニューヨーカー』誌によれば、この人物の出自が興味深い。筆者の疑問に光を当ててくれる。同誌によると、ボルトンはメリーランド州のボルチモア市の消防夫の息子である。両親は高校も終えていない。父親は共和党支持者であった。

しかし非常に優秀だったのだろう。奨学金を得て全寮制の高校を卒業、再び奨学金を得てアイビー・スクールと称されるエリート大学の一つのエール大学を卒業している。そして三度目の奨学金を得てエール大学のロー・スクール(法科大学院)に進学した。

東部の裕福な層が子弟を学ばせるエール大学はハーバード大学と並ぶほどの名門校である。その中で、庶民出身のボルトンは、経済格差に居心地の悪いものを覚えたのではないか。またリベラルな雰囲気の強い東部のエリート大学の知的風土にも違和感を覚えていただろう。親の経済力に守られて、のうのうと大学生活を送る同級生にもなじめない肌感覚だったろう。ボルトンという人物の意固地とも見える行動についての、筆者の非科学的な印象論的な理解である。

写真は、ボルトンの解雇を告げるトランプのツイート



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