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民主党討論会の真の勝者は?

12日に民主党の大統領候補指名を求める10人の候補者の討論会が行われた。テレビ中継された討論会は、既に3回目である。誰が勝ったのか。本命とされるジョー・バイデン前副大統領の健闘が目立った。前の2回の討論会で冴えが見えず、年齢的な限界が噂されていただけに、これはバイデン支持派には朗報だろう。

だが本当に勝ったのは新しいアメリカである。具体的にはスペイン語を話す人々である。10人の内の2人がスペイン語を織り交ぜての討論を行った。「ノー」と2回言って、一回目は英語で二回目はスペイン語と言い張った候補者の発言まで数えると3人である。司会者の一人も、スペイン語メディアの代表者がいて、同じようにスペイン語をスペイン語訛りの英語に振りかけて話していた。

これは、ヒスパニックと呼ばれるラテンアメリカ系の人々の人口の増大の反映である。世論調査で知られるピュー研究所のデータによれば、ヒスパニックの人口は、2016年の段階で5750万人である。アメリカの総人口に関しては3億2千人という数値が良く引用される。となると、ヒスパニックは総人口の18パーセントである。スペイン語を話す大統領が生まれる日が段々と近づいている。

本当に話すというべきだろうか。というのは、1970年代の民主党のジミー・カーター大統領は、スペイン語を話した。筆者の耳には平均的日本人の英語程度だったが。そしてイラク戦争を始めたジョージ・ブッシュ息子大統領もスペイン語を話した。スペイン語のできる友人の評価を尋ねると、「英語なみ」という。そんなに上手いのか聞き直すと、あの男は英語が酷いから、英語なみでも知れているという返答が戻って来た。

*冒頭の写真は、2008年の大統領選挙のキャンペーン風景、バイデン副大統領候補とバラク・オバマ大統領候補(Daniel Schwen 撮影)https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Biden_Obama_3b.jpg#/media/File:Biden_Obama_2.jpg

 


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