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目的論と原因論

平本式で学習するアドラーの教えのベースとなるものに『人生の主人公』、『目的論』、『認知論』、『対人関係論』、『全体論』があります。
今回はその中で『目的論』を取り上げます。

目的論と言うのは「本当はどうなったらいい?」に向かって、「失敗してもいいからやってみよう」が大事。「できるようになったらやろう」ではなく、「どうやって使おう?」という姿勢です。

この反対が原因論で何か失敗が起こったときに、それがなぜ起きたのかや誰のせいでそうなったかを探し出し原因に焦点を当て次からはそうならないように対処するやり方です。
原因論の場合は例えミスが起きても原因に焦点を当てるのではなく最終的な結果がどうなれば良いのか次の行動や考えを探っていくのです。

機械の不具合の場合は故障している部分を探し出して交換するなり修理すれば良いので原因論で探っていけばよいですが、これが人間ったらどうでしょうか。

例えば「部品の発注ミスで納期が間に合わない」なんて聞くも恐ろしい事態になったとします。
これを原因論で追究すると誰のせい?忘れてた?ボーっとしてた?注意力足りないんじゃない?など個人の責任追及になってしまいます。
こうなってしまうと現場はギスギスしだすし、報告が遅れたり雰囲気が悪くなり退職者続出という事態になりかねません。

これが目的論なら目指すべき未来に向けてどうなったら良いかを考えます。
前の例で言えば、納期を間に合わせるためにはどうすれば良いか次の行動を考え、顧客にとって最善は何かを考えます。
そして、どうすれば良かったのかを一緒に考え決して個人の責任にしません。

こうすれば職場の雰囲気が良くなり、一人一人が臆することなく意見を出し合い改善し続けられるようになり自走するチームが出来上がります。

安心安全の場、共同体感覚ができ自分もチームのために貢献したいと思う人が増えれば増えるほどチームのパフォーマンスが上がります。
過去に起きた原因を追究するのではなく「どうなったらいい?」と言う実現したい未来に向かって進んでいく。そういったポジティブなエネルギーでコミュニケーションをすればチームの雰囲気が良くなるのは自明のことですね。

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