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pfs: 始めてのデータベースソフト

データベースって、ランダムファイルに対して読み書きするようなプログラムを自分で書いて作るものだったのですが、ファイル操作を書くのが精一杯で、きめ細かな検索や結果をレポートとしてまとめる部分までを作るまでには作り込めていませんでした。

そんな頃に、後にテキスト画面時代のオフィスソフトで有名になるSPC(Software Publishing Corporation)の最初の製品である”PFS”というデータベースソフトに出会いました。資料を探しても最初のリリース年が見つからないのですが、私が使うようになったのは、記憶を辿るとDOSを3.3にアップグレードし、まだIBM-PCは出ていなかったので、1981年か82年かと思います。

Software Publishing Corporation

まだリレーショナルな機能はなく、フラットファイルデータベースと呼ばれるランダムファイルに衣を被せたような仕組みのもので、複雑な検索は出来ませんでしたが、検索結果を一覧としてプリンタなどに出せるだけでなく、住所ラベルなどの書式に印刷することも出来たのが斬新でした。

フラットファイルデータベース

基本的なデータベースの機能を網羅している上に、割とキビキビと動いたこともあり、少なくともアメリカでは人気があったようです。その後、出力部分であるレポートジェネレータは独立し、ワープロやパワポのようなグラフ出力(プレゼン)ソフトも登場し、”pfs:”シリーズとして販売されるようになり、IBM-PC向けにも移植されました。APPLE向けも本体のグレードアップに合わせて小文字が使えるようになり画面も広くなり多くの内蔵メモリも活かせるようにバージョンが上がっていきました。最後はMac向けもあったようです。まあ、そんな時代にはもうPC98ユーザになっていて、dbaseな人になっていたのですが。

PFS: File (Apple II, 3 1/2" Disk and 5 1/4" Disk) Software Publishing Corporation - 1985 USA, Canada Release

https://elisoftware.org/w/index.php?title=PFS:File(Apple_II,_3_1/2"_Disk_and_5_1/4"_Disk)Software_Publishing_Corporation-_1985_USA,_Canada_Release

Software Spotlight: The PFS Application Series

こうして使い勝手の良い人気の出たソフトがあると、自分で類似のソフトを書くときにも、特にUI、言葉の使い方は大いに参考になります。もちろん類似のソフト、後継に当たるソフトを使うときもマニュアルを読まずに、だいたいの使い方の見当もつくようになるわけです。

当たり前ですが英語しか使えないので、何に使えるかと言うと限りがあって、せいぜい「洋楽のレコードカタログ」であるとかしか間に合うものがなく(フロッピーのカタログを作るのは専用のソフトがありました)、実用的に使うには言語の壁がありました。

PFS: File & PFS: Report (for Apple II)

上記のページにはマニュアルへのリンクもあるので、詳細を知りたければご確認ください。検索するとIBM-PC向けの方が、より詳細な資料は見つかるようです。

SPCのpfs:シリーズはMS-DOSなどのテキストな時代のGUIソフトとして一世を風靡しましたが、本格的なGUI時代が始まると見る影も無くなり、この会社も21世紀を待たずに消え去ってしまいました。いわゆるOfficeスイーツは競争が厳しくなりましたからね。

ヘッダ画像は、使えそうな画面を見つけられなかったので、資料を元にエミュレータで再現した入力画面のイメージ

#データベース #フラットファイル #pfs #SPC  

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