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Apple][ になれなかったパソコン - ATARI 400/800

パソコンが販売される少し前に、テレビゲームが流行りました。今に比べれば非常にシンプルなゲームで、ピンポンやテニスであるとか射撃なんていうものでした。当初は色も付いておらず、灰色の背景に白い四角が表示されるだけというものでした。

そんなゲームですから、いくつかのゲームは組み込まれているものの、すぐに飽きてしまうことも多かったのですが、カセット型のROMが組み込まれたカートリッジを使えるようにすることで、後から遊べるゲームを追加できるゲームマシンが登場し、これが売れに売れました。

このようなアメリカで大ヒットしたゲーム機に「アタリ(ATARI)」がありました。古い方のブレードランナーの広告にも登場していて、見たことだけはある人もいるかもしれません。

アタリ (企業)

特に人気があったのが、Atari2600 というゲーム機でした。アメリカではゲーム機といえば「コレ」と言わんばかりの勢いで売れたようです。

Atari 2600

これで大儲けしたアタリは、Apple][ を見て「これからはパソコンの時代だ!」ということで、1979年の終わり頃にBASIC を搭載したパソコンを開発し売り始めました。

Atari 8ビット・コンピュータ

スペックをみると、なかなか魅力的です。ローエンドの 400 とハイエンドの 800 のモデルがありました。400 の方は、キーボードもメンブレンでスロットも一つしか無いので、いかにもゲーム機という感じですが、800 はちゃんとしたキーボードにスロットも2つあり、パソコンとしてきちんと使えそうです。豊富なゲームを考えれば、Apple][ ユーザであった私も触手が動いたくらいです。

ところが、このマシン、人気はあったように見えたのですが、どうも売上が芳しくありません。特にプログラミングに関する情報があまり出回らず、周辺機器も出てきません。特にディスクやプリンタといったデバイスが手に入りやすくないと、いざ使おうとしても物足りないことになりました。

ディスクは ATARI DOS というものが発表され 810 という 5インチ片面単密度のフロッピーが使えたのですが、これを使っている様子を日本で見たことはありません。ROM に搭載されている ATARI BASIC はマイクロソフト製ではなく、なかなか魅力的な機能もあったのですが、浮動小数点演算は使えたものの文字列処理に難があり、スクリーンエディッタなどにもバギーな部分も多くて、使い勝手が良いとは言えないものでした。

結局、ゲーム機とパソコンの両立という目的は達成できずに、パソコンとしては1982年に新しく XL シリーズを投入し、すべて合わせれば 1985年までの間に 400 万台を売ったとなっているので、そこそこ売れたのだと思います。今でも愛好者は多くいるようです。

やはり大金を積んで「売れている、アレみたいなものを作りたい」と言って作ると、どうも結果が芳しくないんだなという気はします。

ヘッダ写真は、以下のものを使いました。https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Atari-800-Computer-FL.jpg

#レトロPC #ATARI #ATARI2600 #ATARI400 #ATARI800 #APPLE2

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