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はじめてのタブレット(入力デバイス)

APPLE][は、そのグラフィック能力が当時の他のパソコンと比べても秀でていたので、それを活かすデバイスがいろいろと登場しました。標準として用意されていたのはゲームI/Oに接続する2つまでのボリュームとボタンのついたパドルだけですが、キーボード以外で入力するためのデバイスとしてタブレットがAPPLE自身から発売されました。今ではPCで画を描くのであればタブレットを使うのは当たり前ですが、当時は画期的なものでした。升目の引かれた、結構大きめな板に専用のペンがついており、これを専用のインターフェースカードに接続して座標の指定などに使うのです。板の上部にはボタンとして機能する場所があって、マウスなどが無かった時代、これでコマンドを指定していました。ペンは電磁誘導で位置を知るようになっていたようで、おそらく板までの距離を測っていたのだと思います。もっとも距離の短い板上の座標を入力座標にしていたようで、少し浮いていても大丈夫だった記憶があります。

13-PERIPHERALS - INPUT DEVICES

Apple Graphics Tablet

https://downloads.reactivemicro.com/Documentation/Manuals/Apple%20Graphics%20Tablet.pdf

このタブレットを使って画を描く体験は、なかなか未来的だと受け入れられたようで、お店のデモではよく使われていました。但し、まだカラープリンタも満足に無く280✕192の画面では大した画が描けないので(色も6色!)、少しばかり時代を先走った製品だったのかもしれません。

アップルのタブレット、すでに日本上陸か(ちょっと違う)

1979 Apple II Graphics Tablet

せっかくの画期的な製品だったのにも関わらず、結局、漏洩電波の問題で販売を続けられなくなってしまい、この時代のタブレットは幕を閉じてしまいました。アップルに限らず、この時代のパソコンは本体から漏れる電波が多くて、どの会社もFCCとの戦いを繰り広げていました。電波をシールドすると今度は排熱に問題が出るのは、良くある話で、これが原因で無くなった機種もあります。今のように比較的高めの周波数で動いていればまだしも、当時は基本クロックがテレビ電波と干渉する時代ですから、わりと影響は大きかったです。

Apple Graphics Tablet - コンピュータ歴史博物館にも収蔵されています

入力デバイスとしては、他にもライトペンというのが大型機の時代から使われていて、APPLE][向けの拡張スロットに指す「正しい」ライトペンも存在したのですが、値段の割に使いやすいものでもなく、簡易版であるゲームI Oに刺すライトペンが、それなりに使われていました。

NIBBLE LIGHTPEN

https://www.applefritter.com/appleii-box/APPLE2/NibbleLightPen/NibbleLightPen.pdf

これはソフトウェアで順に画面を光らせて(文字を豆腐に変える)、そのタイミングで光ったことを検出して場所を決めるだけのものでしたが、選択肢から選ぶという機能には充分で、とても安価だったので私も使っていました(パドルも使いたいのでゲーム I/Oにスタックして刺すんですよ)。

そもそもライトペンは画面に対して使うので、長く持っていると肘や手首に無理が来て、仕事で使うと労災が発生してしまうということになり、無くなってしまったのですが、PC-8001とかでもCRTCにはライトペンのインターフェースが残っていましたね。使われているのを見た覚えはありませんが。

ヘッダ画像は、以下のものを使わせて頂きました。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Apple_Museum_(Prague)Graphics_Tablet(1979).jpg
By Benoît Prieur - Own work, CC0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=80808905

#APPLE2 #周辺機器 #タブレット #ライトペン #入力デバイス  

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