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レコード盤 - 究極のアナログデバイスかも

まあ私の子供時代の我が家は、あまり音楽に満ちたおウチというわけでもなく、テレビこそ2台もありましたがステレオセットなんかはありませんでした。まあ私自身も何らかの楽器をたしなむこともなく音楽の授業でも音階が無いような楽器ばかり担当していました(トライアングルとかシンバルとかね)。

ですから始めて聞いたレコード盤は実は雑誌のおまけに付いてきたソノラマシート(ソノシート)でした。

ソノシート

たしか以下のような見た目のプレーヤーを入手して聞いたような気がしまう。懐かしいですね。

昭和 レコードスピーカー

※もちろん当時はBTなんかありませんよ。

当時のプレーヤーには回転数のスイッチには33(と3分の1)と45、そして78という数字が書いてありました。78を使う盤なんてみたことは無かったのですが、小さなレコード(シングル)は45、大きなレコード(LP)は33に合わせるとだけ覚えていれば充分でした。

その後、小学校も高学年になった頃にようやく近所の家電店でLo-D50というステレオセットを買ってきて、レコード(とラジオとカセット)で音楽を聞ける環境が出来ました。そうしてクラシック音楽のレコードとかも貰ったのですが、レコードを聞くにはケースを開けて薄いビニールから黒い板を取り出して、プレーヤーに載せ、ホコリが付いていれば赤い布の貼られた黒板消しのようなクリーナーでホコリを取り、アンプの確認してボリュームを小さめにしてから、厳かに手で針を一番外の溝の少ない場所に下ろすという儀式が必要でした。

シングルレコードはドーナツ盤とも呼ばれ、中央の穴が大きく、これを聞く時は穴を大きくするためのアダプタのような丸いものを中央に置いてからレコードを置きました(そしてLPの時は外す)。

レコード

レコード盤の原理はなかなか奥深くて、当時盛んに出ていたオーディオ雑誌で勉強しました。音の大きな部分は溝が深く掘られるので、曲の間を探すには溝が浅くなっているとことを探すとか、ステレオは溝の左右の傾きを変えて実現しているとかを覚えました。そしてアンプの裏に繋ぐケーブルがレコードプレーヤーだけ専用になっているのは信号レベルが違うんだなと知るわけです。

レコードプレーヤー

3 レコードの溝

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こうして冨田勲なんかのレコードを買ってくると4チャンネルステレオで収録とか書いてあるのですが、残念ながら我が家のステレオでは4チャンネルは再生できず(対応しているのはかなりの高級ステレオセットのみ)、ちょっと寂しい思いもしたのですが、これは中学生になった頃にアキバで追加のスピーカーを買ってきて疑似4チャンネルにしてみたりしました。

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当時のレコードプレーヤーの大部分はベルトドライブというモーターからゴムベルトを介してターンテーブルを回すものが殆どで、直接モーターがテーブルを回すダイレクトドライブは憧れではありました。ベルトはだんだん劣化するので、一度は交換をしてみたのですが、なかなかドキドキしましたね。もちろん針の交換はもっと頻繁に行う必要があったのですが、どのタイミングでどんな針にスべきかなんて、決まり事があるわけではなく、いつも悩んでいました。音が変わると言われても測定する方法があるわけでもなく主観的なものですからね。

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レコードというものは、針で溝を削ってしまったりする事故はありますが原理的に劣化することは無く、注意して使えばそれこそ半永久的に使えるものですし、少なくとも当時のカセットテープと比べれば遥かに良い音が出ました。レコードの音は、普通の音量でスピーカーから聞く分にはテープのような高音の濁りやヒスノイズも無かったのですが、ヘッドホンで聞くと今度は周囲の振動を拾っているのがバレてしまうので、良い音を聞くには夜中に聞く必要がありました(家で誰かが歩くとか少し離れた道路の振動もわかってしまっていました)。レコードを聞くには儀式も必要で針も慎重に扱わなければならないので、買ってくると最初にすることはカセットに録音することでした。ということで録音は深夜の作業になっていたわけです。そして普段はカセットで聞くのですね。レコードはマスター扱いです。そしてカセットが伸びてきて音が悪くなると新しいカセットに録音し直すのです。

今はさすがにデジタルの方が原音に忠実な記録が出来るのですが、アナログなレコード盤は長きにわたり、その記録方法が変わることもなく、大昔の盤であっても今のプレーヤーで楽しむことができます。所詮、最終的に必要なクオリティは耳の限界までであることは確かなので、取り扱いに注意が必要でちょっと面倒ではあるものの究極のアナログデバイスとして生き残っているのでしょうね。

ヘッダ画像は、以下のものを使わせていただきました。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Technics_SL-1200MK2-2.jpg
derivative work: 32bitmaschine (talk)Technics_SL-1200MK2.jpg: Dydric - Technics_SL-1200MK2.jpg, CC 表示-継承 2.5, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=4670384による

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