見出し画像

FM-X 富士通もMSXに参入した真意は如何に

MSX、特に最初の規格で発売された機種たちには、いろいろな思惑が渦巻いていました。とりあえず自力でPCを出してみたけど、どうもうまくいかなかったのでMSXに合流したメーカー、そろそろPCを出そうと機会を伺っていた会社、MSXこそ我が道と思ったところもあったのかもしれません。既に自力でマーケットを作り上げていたNECとシャープはMSXに合流せずわが道をいきますが(シャープは海外向けをチョコッとだしたようですが)、富士通はFM-7が絶好調だったのにMSXも出してきました。

FM-X

富士通のFMシリーズでMSXだからといことで、FM-Xという安易なネーミングでMSXとしての最小構成である16Kメモリにスロット1つしかありません。その代わりといってはなんですが、FM-7が12万円と少しと決して安くはなかったのですが(後継のNEW7でギリギリ10万円を切りました)、FM-Xは5万を切る価格設定で、これは松下やソニーのMSXよりも安くなっていました。

MSX(月刊ASCII 1984年1月号8)特集 [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

わざわざFM-7を出しているのにMSXを出したのかというと、FM-7ですら高いというユーザを手に入れたい、それにはとにかく安い機種を出せば良いのだろうと考えたのですかね。富士通は最小構成のMSXでは結局ユーザは満足しないだろうというのを見越したのか、FM-XにはFM-7と接続して、それぞれから相手の機能を呼び出せるという謎の拡張スロットを用意していました。つまりFM-Xを買ったユーザは、きっとFM-7を買うようになってくれるのだろうから、その時にFM-Xが無駄にならないような細工を入れておこうということなのでしょうか。本当のところはわかりませんが、さすがにそれは無理があるような気もします。

富士通が発売した最初で最後のMSX規格に則った機種「FM-X」

FM-X (Fujitsu Micro X/MB25150)

ただ価格を抑えたのは、一定の効果があったようで、このPCを最初に買って、その道?に入った方はそれなりにいらっしゃったようです。

FM-X

富士通 FM-X

ところが今、富士通の公式サイトを見ると「パソコン」の一覧にFM-Xがありません!やはり、このPCは黒歴史なんでしょうか。結局、富士通はこのFM-Xだけで、もうMSXを出すことはありませんでした。

パソコン - 富士通

低価格路線に関しては、もっと強力なメーカーが登場しましたし、MSXから自社のPCを誘導するという路線自身が無理筋だったのでしょうね。

Fujitsu FM-X (JP)

Fujitsu FM-X

Fujitsu FM-X あの富士通がMSXに参戦?!

ヘッダ画像はアスキー1984年1月号に記載されたFM-Xの広告ページ(オリジナルはカラー印刷です)

#MSX #FMX #富士通 #FM7 #レトロPC  

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?