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初めてのワープロソフト

ワープロといえば、日本の場合はパソコンのソフトではなく、専用ハードを使った製品が先に普及したので、そちらの印象が強いかもしれません。ただパソコンの初期の頃からアルファベット専用とはいえ、何らかの形でのテキストプロセッサというかプリンタに文章を出力するためのソフトはありました。

プログラムを編集するには内蔵されたBASICインタプリタに付属するエディタを使っていました。そもそも画面にはテキストのみしか表示できないですし、プリンタが1行に80文字以上の幅があるのに対して、画面にはその一部しか表示することが出来ないので、今のような印刷イメージと同じような画面を使うことはできず、どちらかというとプリンタに対する命令を羅列している画面を見て文章を作っているという感じでした。

APPLE][を使い始めたときに、ほぼ同時にビットクィーンというグラフィック出力も可能な1行に80桁印刷できるドットインパクトプリンターも手に入れていたので、当然、何らかのワープロソフトを使っていたはずなのですが、どうしてもソフトの名前が思い出せませんでした。覚えているのは画面上は反転文字を使うことでプリンタに大文字と小文字を送ることが出来、行のセンタリングであるとか、ページ送りをするのに、何やら謎の制御命令の文字列を書いていたというところだけで、いろいろ調べたところ、どうやらそれは Apple Writer ではないかという気がしてきました。

Apple Writer

APPLE WRITER

ただ、このソフトの使い勝手が良いのかというと、単なるフルスクリーンエディタとして使えるだけで、行が画面とプリンタで一致するわけではなく、印刷イメージを頭の中で組み立てる必要があり、まあ roff の仲間という感じです。

roff

そんなに英語の文章をプリントアウトする必要も多くなかったので、これでお茶を濁していたのですが、Magic Windows という仮想画面を持つワープロソフトを手に入れて、その便利さにすっかりハマってしまいました。このソフトは紙の1ページ単位の仮想画面の一部を画面上に表示して編集を行うというアプローチをとっており、印刷イメージを把握しやすくなっています。1行に40文字しか表示できなかった時代にスクロールしながらとはいえ、80文字まで扱えるのはプログラムを書くには便利でした。あまりの便利さに、このソフトでBASIC09のような行番号の無いBASICプログラムを書き、自作のトランスレータで行番号付きの当たり前のBASICのテキストを生成して、これをDOSのEXECコマンドを使ってBASICインタプリタに読み込ませることで、プログラミングをするようになりました。これでAPPLE BASICを使っているのにも関わらず、大きなプログラムでも効率よく作れるようになった覚えがあります。

Through the Magic Window

Magic Window - ブラウザで当時のソフトをエミュレートしちゃうのですからスゴイものです

まだ、あくまで印刷に耐えられるだけのテキストプロセッサであって、ある程度の書式と検索、置換が出来るだけのものでした。まだカットアンドペーストの概念もなくブロックを入れ替えるには、もっぱら置換コマンドに頼るしかありませんでした。

本格的なワープロソフトをに出会ったのは、Z-80ソフトカードを入れてCP/Mが使えるようになったときに、一緒にやってきた WordStar が最初です。

WordStar

初期のWordStarは必ずしも使いやすいものではなく、画面も狭かったので、使いこなすには少し慣れが必要でした。とはいえ英文に必須であるwordwrapであるとか、差し込み印刷ができるなどの実用性の高い機能があり、ブロック編集モードもありました。テキストモードを選択すれば余分な制御文字を含まないファイルを保存できたので、エディタとしても使うことが出来ました。もっともAPPLE][ユーザとしては、CP/Mをいちいち立ち上げる必要があるので、使う機会は限られていたように思います。

この時代になるとAPPLE][であってもグラフィック画面を使って、カタカナやひらがなも表現できるようになり、入力は大変でしたが一部の漢字も表示するように環境は揃いつつありました。但し、こういう機能を活用できるワープロとしては漢字ライターくらいしか無く、事実上これはマス目に文字を割り当てるだけの機能くらいしか無かったので、GAME言語で自作の書式制御プログラムを書いて、画面に出したものをスクリーンコピーで印刷するという時代をひとつ戻る使い方が精一杯でした。

APPLE][時代はここまでで終わることになりました。

ヘッダ画像は、WordStarの画面を使いたかったのですが、どうも権利が心配なので、AdobeExpressに描いてもらいました。

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