土壌汚染から考える 買わない方が良い土地(慎重に確認するべき土地)

【0章】イントロ

皆さん こんにちは

土壌汚染対策法の観点より、私が思う

『買わない方が良い土地

(慎重に確認するべき土地)』

についてお話しします。

 まずは、土壌汚染に関する私の簡単な経歴から紹介します。
私は過去に、土壌汚染対策法に基づく、土壌汚染を調べる仕事に、実質7年ほど従事しておりました。時期は、現在を土壌汚染対策法の後期とすると、初期から中期頃にあたります。

 補足ですが、
 平成22年、土壌汚染対策法の一部改正により、土壌汚染調査の管理者の資格が厳格化され、環境省による『土壌汚染調査技術管理者試験』という資格制度できました。
 土壌汚染の調査に係わる全ての人が保持する必要は無いのですが、私は一応この資格を保持しております(定期的に更新講習があり大変ですが。。。)ので、優秀であるかどうかは別として、一応、ずぶの素人ではないです(笑)。

 私は比較的初期の段階で、この資格を取得しました。現在は度重なる法律の改正と情勢の変化(調査業者の増加etc)により取得の難易度が上がってきたように思います。

そろそろ本題に入りましょう。

是非、夢のマイホームのため土地を購入しようと考えてる人に知って頂きたい内容になっています。

本記事は以下の構成になっております。

【1章】土壌汚染とは
   ~土壌汚染ってどんなもの?

【2章】私の経験より、気をつけるべき土地
   ~購入する際、気をつけるべき土地って?

【3章】その土地についての調べ方
   ~誰でも出来る調べ方

【さいごに】


【1章】土壌汚染とは?

■1-1 土壌汚染とは?

まず、土壌汚染とは何かというと、土地が汚染物質で汚れてしまうことをいいます。

たとえば、工場の操業に伴い、原料として用いる有害な物質を不適切に取り扱ってしまったり、有害な物質を含む液体を地下に浸み込ませてしまったりして、土地が汚染物質で汚れてしまったなどです。
(ま~、人為的ではなく、もともと自然に汚染されている場合、いわゆる自然由来もあるのですが、それは置いておきましょう。)

■1-2 何をもって汚染物質で汚れた土地になるのか

土壌汚染対策法で、特定有害物物質(26項目)が定められています。
簡単に言うと、土壌汚染の有る無しは、この26種類の物質について、基準値を超えているかどうかで判定します。この基準値を指定基準といいます。

                 表:環境省のパンフレットより引用

さらに、この指定基準には、以下の2種類あります。一般の方にはややこしいですよね。

①土壌溶出量基準
②土壌含有量基準

です。

簡単に説明すると

土壌汚染対策法では、土壌汚染による2つの健康リスクを対象としています。上記2つの基準により、この2つのリスクを担保しています。

①有害物質を含んだ地下水を飲むことによる健康リスク
⇒土壌溶出量基準で担保

 ②有害物質を含んだ直接口にすることによる健康リスク
⇒土壌含有量基準で担保


                  図:環境省のパンフレットより引用

■1-3 特定有害物質すべてを調べる必要があるの? 

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