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大切な春麗の過去を適当設定で描いた格ゲー実写化【映画「ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー」】

プレーヤーも観てないであろうチュンリーの前日譚を描いた実写映画をプライムビデオに眠っていたので観た。


あらすじ
裕福な家庭で生まれ育った春麗<チュンリー>。しかし、幼い彼女の前で突然、悪漢に父が拉致されてしまい、そのまま父の消息は途絶えてしまう・・・。それから10年後、ピアニストとして成長した春麗だが、母親も亡くなり天涯孤独に・・・。

前評判ほどひどくはなかったが、わざわざビッグタイトルを実写化する目的としてはよくわからない低予算映画で仕上がった印象。制作意図が分かる記事も日本では何もないのでカプコンもおそらく介入せずに企画だけ通して作られたのは分かる。

ストーリーやキャストも雑な部分は多かったが、出てくる敵キャラクターの表面設定だけは守りながら展開していたのは救いだった。

敵キャラではベガが擁する秘密結社の組織として、バルログ、バイソンも主に出てくる。ベガがタイにいたのもスト2で描かれていた設定だったらしい。

安田朗「その当時タイこそが世界で一番格闘技が強い国なんじゃないかと思っていたから。そういう漫画を読んだ影響というのもあるけど、悪い組織が資金力を使って格闘帝国を作った、というのがいいんじゃないかと思った」と語っている

バイソンのビジュアルはなんとか再現しているのは見えてよかったが、バルログとベガはきつい。バルログは面を外した顔を春麗がいじってるのが全てに思う。

またラスボスになるベガは元設定は麻〇取引の悪事をしていたらしいがキャストに合わせてか不動産を牛耳る普通のビジネスマンでしかない設定にビジュアルで、良心をなくしたストーリーのフリも謎だった。

いざ春麗と決戦をしていても全く強い雰囲気なかったので腑抜けする。少なくとも悪の帝王の雰囲気はなかった。

アクションは低予算が故に過剰なCGもなくアクションゲームの実写化としては終盤までは普通に良かったのに、最終決戦で安いCGの気功拳とアクションで終わっていく。

他にも春麗と師匠の修行やインターポールの話も取ってつけたことで春麗は原作ではインターポールの設定で麻薬捜査としてベガを追っていた話らしいが、あの女性警官を話に追加したことで立場は全く異なる形になった。

個人的には気にならなかったが原作設定を知ってるファンからは細かいところがグダグダで反感買われただけらしい。

話の目的である春麗がストリートファイターになるまでのアクションを追っていく分には見れるがそれ以上でもない作品。ファンより新規を巻き込む位置づけはあったのだろうがどちらにも転ばなかった。


過去作を見ても大体15年周期で実写映画がつくられてるがどれも低予算で雑な位置づけなのが伝わる。

今年も実写化決定のニュースが出ていて全く懲りてないらしいが、海外市場で扱える作品はカプコンも緩いんだろう。

せめてキャラクターに充てた物なら新規を巻き込む意味はありそうだけど、結局作ったゲーム会社が関わらなければ意味のないものに仕上がるのはよくわかる作品となった。









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