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北海道でフィールドワークをやってみた。第3弾 美唄市

最後のフィールドワークは、北海道美唄市。とはいえ今回は全くフィールドワークではない。国内交換留学中に通っていた北海道の大学の教授の紹介で、美唄のイベントにボランティアとして、参加することになった。

・アクセス
札幌駅から美唄駅まで、JRカムイ旭川行きに乗る。岩見沢を通過して、特急で35分。交通費は2200円かかる。往復4400円。まぁ遠い。

美唄は人口23086人(令和元年時点)ほどの平和で綺麗な町。

「AIRPORT CINEMA」…今回、関わった地域おこしイベントは実にユニークだった。飛行場の滑走路上に映画スクリーンを設置して、皆で映画を見ようという祭りだ。
滑走路で映画を見るというイベントの前例は今まで日本には無いので、日本初の試みとなる。

2019/07/06 開催
・イベント会場「美唄スカイパーク」
・料金は完全無料
・会場15時
・15時ころから飲食屋台の提供。
・BGMが会場には流れていたので祭り気分もあがる。
・上映作品「マンマミーア!ヒア・ウィー・ゴー」
・19時上映開始

といったかんじの内容。なんと完全無料という、お財布に優しいイベントだ。

美唄駅についてからイベント関係者の方に会場まで車で運んでもらった。会場の周りは緑に囲まれていて美しい場所だった。滑走路の真ん中に立って全体を見回すと気持ちがよかった。ここで鬼ごっことか、キャッチボールとかしたら楽しいだろうなぁー!

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上映時間が近くなるにつれ、少しずつお客さんが増えていった。上映開始直前、お客さんに飲み物を配布して行く。仕事らしい仕事はこれだけだった。この日は、昼間はとても暑かったが日が沈んでから会場は冬のように肌寒くなった。昼間は暑いが、夜は冷えるのは美唄だけでなく北海道全体の夏の傾向だろう。

イベントの目的
今回のイベントの意図について責任者の方から話を聞いた。完全無料で映画を見れることで観客を呼び込むということはお金の為でなく、美唄を広げる、知ってもらうことが大きなイベントの意図である。客数の多さもこだわっていなかった。観客の数はおそらく50人程度であった。決して多い数字では無いが、観客全員がスクリーンの前に集中するので、その様子を写真に撮り、SNSに発信すれば、このイベントに人が集まったということが人々に伝えることが出来る。滑走路で映画を見るという面白いことをしている町があることが拡散されれば美唄を知る人が増える。数字と言う記録に捉われない地域おこしは過疎地域ゆえの工夫だと感じた

考察
映画館が無いという美唄の環境、そこから生じるのは美唄に映画館が出来たら嬉しいという住民の声。町に無いものから人々が求めるものが明確に分かる。人々の声を大事にして、無いものを一時的に作り上げ、滑走路があるという町の環境をフルに活用している。つまりこのイベントは美唄に無いものとあるものの両極端二つの環境の掛け合わせから生まれた地域おこしであり、そこにこのイベントの面白さを感じた。

美唄フィールドワーク感想とまとめ
今回のフィールドワークでは地域おこしイベントに参加することが出来たので、希望していた現地調査の形を実現することが出来た。映画祭に使われていた映画スクリーンは端っこに空気を注ぐことで、建てることが出来る。持ち運びは空気を抜いて、丸めるだけで運べる。このやり方は無駄が無く、スマートだ。

あとから調べて分かったことは、グルメでは焼き鳥が有名で、宮島沼などいくつかの観光名所はあり、アウトドアが楽しめて、冬はスキーが出来る。実は美唄そのものが北海道を代表する素晴らしい観光地であった。

これで僕の北海道過疎地域の研究はおしまい。赤井川村、上川町、美唄市。3つの地域の足を運んだが、全部素晴らしい場所だった。

3つの場所の共通点をまとめると・・・

若者は生まれ育った町から離れ、札幌へ行ってしまう傾向にある。
・それぞれが土地環境を活用しながら、地域の営みに全力を尽くしてる。
・優しい人々の大きな郷土愛

フィールドワーク成功の道
決して一人では自分の研究は実現、成功できなかった。北海道に行って、札幌大学の先生や調査先で出会った人々に支援や協力をしてもらえたおかげだ。自分の将来像を発見するきっかけにもなった。沢山の経験や思い出は自分にとって、大きな財産だ。この経験を活かして、これからさらに前へ進んでいきたい。

研究から分かった過疎地域の本質
人口不足などの問題を抱えながらも、過疎地域に住む人々は、その土地を愛し、長年知恵しぼりながら、楽しく活き活きと生活している。人々は自然に魅せられ、自然は人々によって保護され続けている。人と自然がつながり、共生していく場所だ。








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