Vol.10 2023バスケ北海道インターハイを観戦して/ Watch the 2023 Basketball Hokkaido Inter-High

2023/8/3

7/25~30に開催された北海道インターハイを観戦してきました。1回戦から決勝戦まで男女ともに試合を観た感想を記載したいと思います。全ての試合を観ることができた訳ではありませんが、最近のチームに共通したスキルや戦術がいくつかありました。

①3PTシュートの必要性


顕著にその必要性を感じたのは、男子準決勝の福岡第一vs京都東山戦です。第一が行う、ピック&ロール(オンボールスクリーン)に対して、3PTシュートの確率が高い選手にはファイトオーバー(スクリーンとの間に体を入れたり、ぶつかっても後ろから追いかけたり)をしていましたが、確率の低い選手にはアンダー(ドロップ)といって、スクリーナーの下を通るディフェンスを行っていました。結果として、ピック&ロールを行ってつくりたい数的有利をつくれずにオフェンスが終わってしまうことが多々ありました。

②ゾーンディフェンス

今大会は多くのチームがゾーンディフェンスを行っていました。代表的なチームは新潟開志国際、仙台明成、山梨日本航空、京都聖華、札幌山の手などです。特に、開志国際のマッチアップゾーンは強力で、速攻(ファストブレイク)をたくさんつくりたいという意志を感じました。仙台明成は自分たちの身長(サイズ)の大きさを利用していました。山梨日本航空、京都聖華も同様の理由に感じました。最も驚いたのは今までマンツーマンディフェンスしか見たことのなかった札幌山の手が試合終盤にゾーンディフェンスを行ったことです。(個人的に観ていて興奮しました!)試合の展開を速め、3PTシュートを多発したいという意図だったのでしょう。

なぜ今回ゾーンディフェンスが多用されたのかを考えると、
1、試合の展開を速めること
2、ペイントエリアを固めること
3、ドライブの能力が高い選手が増えたため、それを止めること
だと思います。
ドライブが増えてきた近年のバスケットに対するアンサーとして、各校がゾーンディフェンスを準備してきたのではと考えています。
そのため、①3PTシュートとパスによるゾーンブレイクの必要性が更に高まっていると感じます。

③ボールを簡単に失わない

ディフェンスにプレッシャーをかけられても簡単にボールを失わない選手が多かったように思います。流石は全国大会。各校でピック&ロールの練習を重ねていることもあってか、ハンドリング能力の高い選手が増えてきました。近年のトレンドと言えるでしょう。反対にパスが上手な選手がいれば、ゾーンディフェンスの攻略に役立つでしょう。

④オールコートディフェンス


マンツーマン、ゾーンプレスどちらかのディフェンスをほとんどのチームが行っていました。これは、育成年代のスタンダードと言えるでしょう。試合の展開を速め、シュートをたくさん打つためにもオールコートディフェンスはこれから必須と言えます。(現在の日本代表もオールコートディフェンスをしています)

また、各チームの監督は盛んに「絞れ!」とペイントエリアを固める指示を繰り返していました。やはり、現代のバスケットはペイントエリアへの侵入と3PTシュートを止めることが最重要と言えるでしょう。

Kazuya


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?