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おっさんのコロナ体験記。オミクロンは風邪?絶対に違います!

普段風邪をひいた時の私のパターンです。
まず、鼻の奥というか鼻腔が痛む→喉に痛みが移動→咳→発熱→鼻水→下痢→鼻づまりと続き、いつの間にか気が付いたら回復しています。
「オミクロンは風邪みたいなもの」という人も多いので、鼻腔が痛み出した時も、これがそうなのかもという軽い感じでした。
ところが大違い!
この後、新型コロナ肺炎まで発症、一カ月で地獄の入り口を覗いてきました。
まず、最初にみなさま方に声を大にしてお伝えいたします。
「絶対にコロナは単なる風邪ではありません!特に高齢者は絶対に罹ってはいけません!」
確かに症状の一つ一つを聞くと風邪です。
でも一つ一つの症状が、「なにこれ?」と思うほど激烈なものでした。
私は喉と発熱でしたが、喉に火箸を差し込まれたような痛みでした。水も飲めない状態です。発熱前の悪寒、あんなもの体験したこともありませんでした。寒さに震えましたが、鏡で見ると本当にあり得ないほど筋肉と関節が痙攣しておりました。これまで60年間以上、幾度となく風邪をひいてきましたがこのような経験は初めてでした。こんな風邪はありません。
また、治療中に何度か、もうダメかもしれないと思いました。
こんな風邪あります?
だから単なる風邪では絶対ありません!
私が追い込まれていった様子を赤裸々にお伝えします。だからコロナを舐めることだけはおやめください。
前置きが長くなりましたが、陽性確認した2日前から、自宅療養までの1カ月を
日記風に配信させていただきます。またそのタイミングで気付いたことをAttention(注目)として書き出していきたいと思います。
私の体験はコロナという感染症です。なぜそんな秘密にすべき体験をオープンにするのかという声も聞こえてきそうです。正直、私も配信するかどうか悩みました。背中を押したのは、アフターコロナでコロナ・キャリアに襲い掛かるであろう2つの事実です。
一つ目は「コロナいじめ」です。
その昔より感染症に対する忌避感は凄まじいものがあったと思います。
当時、治る可能性が低かった感染症「結核」が典型的ですが、罹患した人は患者と言うよりも、ウイルスをまき散らす犯罪者扱い。家族も身内に患者がいることすら隠したいという「闇の歴史」がありました。
今の時代、そこまでのことはないと信じますが、風評被害というのは十分に考えられます。ヘイトや悪意なら対峙する方法もありますが、対処しようがないのが、善意で発する言葉、興味、好奇です。それが当事者にボディブローのように襲い掛かります。私は原子力発電所の勤務経験が長く、そのメカニズムを十分に理解しています。
二点目は「後遺症」です。
現段階で散見できる「後遺症」は、倦怠感・息苦しさ・味覚異常などといわれていますが、解明・研究はまさにこれからです。
こんなに「後遺症」が気になる風邪はないと思います。
今では、「結核」をはじめ、ほとんどの感染症は人智によって乗り越えられていますが、コロナはこれからです。この感染症研究がこれからだとしたら罹患した人は、これから自分の身体に何が起きるかわからないという不安に苛まされているということです。まさかバイオハザードのゾンビのように墓場から蘇えるようなことはないでしょうが。
この体験談をテーマにするエンジンはただ一つ、将来に向けての不安感です。
何かが起きるのか起きないのか。罹患された方々とこれから繋がり、情報交換したいと思っています。専門の先生にも、研究状況や対処策、薬剤。さまざまな情報が欲しいし、相談に乗っていただきたい。
できれば「コロナいじめ」「後遺症」に関するプラットフォームを立ち上げたいと思っています。
今現在300万人以上の方々が罹患し、1000人以上の重傷キャリアがおられます。無症状の若者にも後遺症がないというエヴィデンスはどこにもありません。コロナの流行が風化してしても、キャリアであるという事実と後遺症は残ります。
医療関係者や支援者を動かすためには、まず自ら恥を忍んで情報発信する必要があると考えたものです。
自分から情報発信しないと誰からもレスポンスいただけないと思いました。
今回、ホテル療養→隔離入院→一般病棟→自宅療養と、コロナ治療のフルメニューを体験いたしました。それぞれの問題点も指摘させていただけるものと思っています。なお、あまりしんどくなるのも嫌なので、少しコミカルな表現を心掛けます。

はからずも壮絶な体験でしたので、有料配信とさせていただきます。
amazon kindleでも同額で出版しております。
kindle unlimitedをご契約の方は、下記よりお入り下さい。

1.ホテル療養

1月12日(水)PCR陽性判明前日

午後から、若干の喉の違和感。いつもの鼻かぜかな、と思う程度。知り合いとの食事会の予定でしたが、キャンセルした方がいいのか、というイメージもわきませんでした。夜寝るまではこんな感じでしたが、布団に入りうつらうつらするやいなや突如、喉と鼻腔の強烈な痛みと断続的な咳。なんじゃこらー。痛いと言うより熱い!焼け火箸を突き刺された感じ!水さえ飲めない。とにかく原液に近い「イソジン」でひたすらうがいをするだけ。それ以外何も思いつかない感じでした。「熱さまシート」を喉に貼り付けると少し眠れました。これは本当に優れモノです。どうでもいいですが。

1月13日(木)PCR陽性判明日

起床すると症状改善。軽く痰がからむ程度です。ほんと嘘みたいでした。
でもトローチだけ貰っとこうと病院へ。
じゃあPCRだけやっときましょうということで、病院横のテントへ。
一般患者と発熱外来の接点は一切なし。スタッフも防護服。なるほど、ものものしい。結果は電話で連絡しますとのこと。
自宅に戻り1時間ほどすると、看護師より電話。
「残念ながら陽性でした。後刻保健所から電話がありますのでお待ちください。」
「はあ~? 誰が陽性じゃ〜、何が陽性じゃ〜?」
間寛平さんの往年のギャグ。
関西人ならわかるはず。ほんとにこんな感じでした。
その後のどたばた。
・保健所担当者から電話。インターネットで症状を入力してください。それを元に保健師から連絡があります。(この人は入力の仕方を教えるだけの人)
・保健師から電話。入力内容のオウム返し。65歳以上なのでホテル療養すべしとのこと。1月13日陽性判明なので、22日(土)までの予定。
療養先はあらためて連絡する。
・妻が濃厚接触者。2週間の自宅療養が必要。食糧など届けるが、玄関置きで良いかという確認。細やか~。
・療養先決定。市内ビジネスホテル。
・タクシー手配専門の人から連絡あり。後ほどタクシー会社から連絡します。
・タクシー会社から連絡あり。迎え時間決定。
何という丁寧な対応。
後で知ると、この日まで保健所が機能していたとのこと。
翌日から徐々に(一挙に)保健所がパンクし無機能化したとのことでした。
ホテルも同様だったらしく、ある意味ギリギリでラッキーだと言われました。
16時。専用タクシーにてホテルに移動。
タクシーの中は、無言・途中下車だめ。考えたら当然であるが何となく「護送」
という雰囲気です。
到着したのはホテルの裏口。「入所者はこちら」という言葉遣いが刑務所感満載。
10日間絶対外出禁止(当然か)、でも外出が判明したら警察に通報するという
貼り紙はやり過ぎか。
受付は窓越しにマイク会話。
食事も1階にまとめ置き、ごみも1階の集合ゴミステーションへ。
部屋に入ると普通のビジネスホテル。違和感があったのは「窓を開けないこと」
という無機質な貼り紙。
看護師から問診。
症状と発覚の経緯を伝え、ここまでやる必要があるのか聞くと、「すいません」
の一言(彼女には責任なし)。
病状の確認と悪化した際の対応が自分たちの仕事で、それ以外の質問は保健所
にして欲しいとのこと。理由はさっぱりわからないが、なんらかのパワーバラン
スがあるのかも。
窓を開けたらダメな理由を聞くと、周辺住民・企業から苦情があるとのこと。
偏見日本人?急に病人になったような気がしました。

レムデシビル。 私にはあまり効きませんでした。

Attention 1 保健所

確かに保健所から丁寧で、痒いところに手が届くようなご連絡をいただきまし
たが、同時にこんなことでは保健所の業務は破綻すると感じました。
業務は縦割りで、「屋上屋を重ねる」とはこういう感じではないでしょうか。
最初に私が入力した内容が共有化されておれば、6回もの電話をいただく必要はなかったと思います。感染者が増加して保健所の業務が圧迫され、破綻状態になるのは同情しますが、もっと根本的なところにも原因があると感じました。
事実、同じ質問を何回も別の方からされました。

Attention 2 ホテル隔離

ホテル住まいということで、まだまだ「隔離療養」というイメージがわいていませんでした。しかし、ホテルに到着して、思い知らされることになります。
ホテルといえば、たとえビジネスホテルといえども暗いダウンライトとお洒落なクロークが思い当たりますが、脆くも打ち砕かれました。入り口封鎖、裏口に「入所者はこちら→」、受付は総アクリル貼り、スタッフ・看護師との連絡はすべて電話。「感染症に罹患すること」=「ウイルスをまき散らす人」≠「患者」という医療者の考え方を実感いたしました。
でもでも、まだホテルはまし!
設備、アメニティも揃っていますし、ホスピタリティーもあります。
地獄は感染症のプロ「病院」です。これには考えさせられることも多かったと思います。後で披露します。

1月14日(金)~16(日)

看護師はもちろん部屋には入りませんが、1日に2回検温と血中酸素濃度を測定し送信。担当看護師が電話で様子を確認してくるというシステムです。
そもそもホテル療養は、自宅療養が不安な人、基礎疾患があったり、精神的に弱かったりして、在宅が難しいと判断される人。加えて65歳以上の高齢者の療養受け皿として機能すべきものと伺いました。
私の場合は、この後病状が激変しますので、大変ありがたいシステムと思っていますが、そうでなくても、医師・看護師などの医療者へのアクセスがしやすく、電話1本でコンタクトが保証されるのが一番のメリットかと思いました。
悲しくも現実はそれどころではなくなりますが。

1月17日(月)

何気なく部屋でテレビを見ていると、17時くらい、突然の悪寒。
これまでの人生で感じたことが無いような過酷なものでした。
関節と筋肉ががたがたと音を立てて震え、内臓から痙攣が湧き上がってくるような感じでした。看護師に電話すると、直ぐに受付に来るようにとの指示。
駆けつけると、直ぐに体温と血中酸素濃度の測定。39.2度、91%。
看護師はしばし黙考して、顔色が少し戻ってきた感じなので、お白湯を飲んで、
優れものの「熱さまシート」を貼って、温かくして寝て頂戴。
2時間に1回電話しますが、熟睡してたら出なくて結構です。
この夜は、パジャマに着替えるなどとんでもなく、室温を30度に設定し、着てきたセーターとジャンパーを着こんで、ベットに潜り込みました。
この時点で、単なる風邪ではありません。

1月18日(火)~19日(水)

この2日間、昼間は何もないが、夕刻になると17日と同じ状況。
さすがに39度以上の体温が3日続くと、精神的・肉体的にグロッキー気味。
頼みの看護師は。
病院に変わりましょう!医師の了解も取り付け、病院に依頼中とのこと。
入所してきた時から、血中酸素濃度が低いし、顔色が悪いので、ずっとウオッチ
してきたとのことです。
後で病院の医師に確認したところ、この看護師の対応が完璧で、スムースに肺炎
治療に移行できたとのことです。ずっと肺炎を疑っていて、3回目の高熱で決断
したそうです。私が担ぎ込まれた病院も翌日に満床になりますので、見事なタイ
ミングでの判断だったようです。感謝、感謝!

Attention 3 陽性の負い目

元はといえばトローチを貰いに病院に行ったのがきっかけです。気が付いたら病院に救急搬送。肺炎そのものの症状が希薄なので信じられない感じです。
私のようになるとさすがにどうしようもないとわかると思いますが、普通なら病院にいくほどの症状ではなく、陽性と言われない限り絶対にコロナとわからなかったと思います。
また風潮として、陽性であると家族や職場に伝えると、濃厚接触者とか名づけられ、感染者の片棒を担いできた人間のように扱われます。
・自分が陽性者などとは全く思っていない人が世間を歩き回っていること。
・濃厚接触者というと大変なことになるので、そのこと自体黙っている人。
何人もの人が待機状態になり、言い出すと非難の眼、コロナ苛めは確実に存在します。特に不定期採用社員が口に出すと大変なことに。これが実態です。
・体調が悪くなる方が少ないこと。
・本来陽性者をガバナンスする保健所が破綻していること。
感染者数を把握するのは、オミクロンに関しては不可能だと思います。
この期に及んで、「過去最高」「曜日最高」感染者数を毎日報道し、視聴者を煽るマスコミのメンタリティーには恐れ入ります。

Attention 4 薬が欲しかった

ホテル療養で感じたことですが、軽微な症状で入ったのですが、何の治療もない
ことに違和感を感じました。当然、罹患初期に聞くと言われるメルク社の「モル
ヌピラビル」とか処方されるものと思っていました。確認するとホテル療養は
あくまで自宅待機の代わりのもの。薬の処方はしない。
重篤にならないかを観察し、いざという時に救急搬送するだけのため。
ホテルから帰りに陰性証明はもらえるのかと聞けばノー。もちろんPCRもな
し。「詳しくは保健所に聞いてください」ぶれないのはここだけ。
大きな勘違いしていました。
私の場合、中等症まで行きましたので、この時に「モルヌピラビル」を処方され
ていたらと考えると少し悔しい思いです。
医師に聞いてもなんとなく、返答が意味不明です。
なんらかのしょーもない理由があるかもしれません。

2.隔離病棟

1月19日(水)未明

病院に到着するやいなや、レントゲン撮影とCT撮影。
看護師から、詳しくは先生から聞いて欲しいですが。。。かなり重篤です。
持ってこられた荷物はすべて大型ビニール袋に密封します。
10日後まで一切開けることができませんのでご了解願います。
「え、パンツは?」「それもです。」
医師「中等症の2です。酸素投与が必要で、重症化の可能性もあります。」
私 「重症化?何の自覚症状もないですが。」
医師「それがコロナの特徴で怖さです。全く無症状の間に侵食。背中側に炎症痕
   を多発的に残します。もうすでに炎症痕だけ残し、ウイルスは消え去って
   いる状態です。」
私 「何でそんなことが起きるんですか?いつ起きたんですか?」
医師「全くわかりません。我々には対処療法しかありません。」
私 「じゃあ、その炎症痕が治ればいいのですか。」
医師「まあそうゆうことですが、簡単ではないです。
   確認ですが、重症化すると人工呼吸器を使用することになります。
   更に進行すると大学病院に搬送し、ECMOに変更します。
   よろしいですか?」
私 「はあ。でも今決める必要あるんですか?」
医師「今すぐではありませんが、いつどうなるかわからないので。確認だけ。
   それと人工呼吸器やECMOの使用時は意識がありませんので。」
私 「え、意識がない。」
医師「麻酔なしに気管挿管なんかできません。」
私 「では、それでそのままというケースも?」
医師「あります。それが重症化ということです。」
私 「ガーン!」
医師「それと、もしもの場合、エアロゾルの拡散を防ぐため、心臓蘇生措置は
   いたしません。AEDのみでの対応となります。お知り置きください。
   余計なことかもしれませんが、呼吸器疾患では終末期には意識レベルが
   大きく落ちます。
   結果、苦しまれる方は少なく、皆さん最後は穏やかです。」
私 「ほんとに余計なことを!とにかく、よろしくお願いいたします。」
医師「ベストを尽くします。としか言いようがありません。
   今日は、ステロイドとレムデシビルを投与します。どちらかが効いてく
   れればいいのですが。眠くなると思いますのでお休みください。
   今日の話は、奥様にも確認しますがよろしいですか?」
私 「はい。奥さんすまない。これが現実や!後は家族3人で幸せにな~。」
これがリアルです。
この会話。風邪をこじらした時にありますか?

この後の内容。
隔離病棟→一般病棟→自宅療養。Attention 5便秘 6私権制限 7持病 8オミクロン 9ワクチンブースター接種 最後にと続きます。

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