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百万石まつりの撮影禁止問題について。実行委員会と竹中直人さんの名誉のためにもスッキリしておいた方がいい

6月に入ってから金沢界隈の話題になっていた「百万石まつり撮影禁止問題」

結局、問題の経緯や背景がよく分からないというスッキリしない感じがありますが、最初の発端として「栗山さんサイドから撮影を控えてほしいという働きかけがあった」可能性が濃厚になってきました。

上の記事にあるように、「写真の無断投稿に対して100万円を請求する」というとんでもない話の真偽は分かりませんが、出演交渉の段階で栗山さんの事務所から「一般の方は撮影を控えてほしい」という打診を行ったことは認められています。

ただ金沢市によれば、まつり実行委員会と竹中さん・栗山さん事務所が交わした契約書には「撮影禁止」に関する項目はないということで、契約のずさんさが明らかになっています。


↑私自身も百万石まつりの終了後に「肖像権」の観点から今回の撮影禁止問題をまとめてみました。
ところが実際は肖像権うんぬんという高尚な問題ではなく、言った言わないの契約のずさんさ、責任のなすりつけ合いという低俗な背景だったようです。

上の記事を書いた時点でそれ以上は触れなくても良いかなと思ったのですが、今回の「栗山さんサイドの関与」の可能性が濃厚になったことで、一応書いておこうと思ったのが「竹中直人さんと実行委員会は大変だったな~」という感想です。

数は多くなかったですが、少なくとも撮影禁止への疑問や不安を向けられた竹中さん、契約や広報の仕方など数々の問題はあったものの、矢面に立たされた実行委員会(特に金沢市)の名誉は回復されるべきだと思います。

上のブログ記事にも書きましたが、肖像権は「撮影や公表されない権利」であると同時に、「撮影や公表をコントロールできる権利」でもあります。
言い換えれば「写真や動画を撮られる側の自己決定権」であり、自らのパフォーマンスで祭りを盛り上げてくださった竹中さんの頑張りを邪魔してしまったことになります。

一方で実行委員会の方も大変だったと思います。もちろん、契約の結び方のずさんさや事前告知のやり方など批判されるべき点は多くあります。
ただやはり、これまでの祭りで撮影に関して制限が無かったことや突如として「肖像権」という苦しい言い訳を持ち出したことを考えると、「撮影禁止」を言い出したことは不自然でした(簡単に言えば、祭りにとってメリットが無い)

やはり出演者(特に栗山さんサイド)への忖度が働き、実行委員会が泥をかぶる形になったのだろうと推察します。


最後に

実は私、上のブログ記事が新聞記者さんの目に止まったらしく「共同通信」さんから取材をいただきました。もしかしたら配信された記事がどこかに掲載されているかもしれません。

金沢市のカメラマン中西優(なかにし・まさる)さん(39)は「祭りの歴史で撮影が制限されたことはない。誰でも出入り自由の場所で開催されている以上、撮影や掲載を制限することは無理がある」と指摘する。

という内容でコメントさせていただきました。

やはり今回の事例は

①長い歴史の中で撮影が自由に認められてきた。来場者も「撮影は自由」という認識を持っている
②誰でも出入り自由で制限がない。もちろん出演者もその理解があると推察できる
③来場者に撮影禁止を伝える告知があまりに不十分

の3点から考えても、上のようなコメントにならざるを得ません。


ただ付け加えて言うとすれば、「芸能人・著名人の掲載については慎重に議論し、共通認識を作っていかなければいけない」という立場です。

少し前に比べて、ネット広告を当たり前に目にするようになり、広告が貼られていないネットサービスを見ることの方が少なくなりました。特別なスキルが無くても少し勉強すれば、マネタイズができるようなツールもあちこちにあります。

その中で一定の集客力を持つ芸能人・著名人を掲載して、視聴者を集客することは肖像権の「パブリシティ権」との関係で、一定の規制が必要になってきます。
(最近では意図的に広告を貼らなくても、無料ブログサービスなどにも最初から広告が貼られていることがある)


本来は肖像権というと、そういう精密でケースバイケースの議論がされなければいけないのですが、さずがに今回の事例はお粗末すぎてそこまでの検討は不必要でした。

最後にもう1つ付け加えるとすれば、百万石まつりには金沢市から8000万円あまりの税金が支出されています。
まつりに期待する人、自分には関係ないという人、中止してほしいという人・・・いろいろな意見がありますが、少なくとも私たちの税金がどう使われるかという点では注視していく必要がありそうです。

来年以降の百万石まつりがどうなるのか。
良くも悪くも今回の総括をしっかりして、進んでいっていただきたいものです。

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