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年間100本舞台を見る①

 2018年、頭くらいにふと思ってしまった。
「年間100本くらいは舞台見られるんでは」
 人間面白いもので、出来るんでは、と思うと案外本気に取り組んじゃうもので、これはどうにか出来そうだぞと思ったのでまとめている次第です。
 一応ルールとしては、複数通い詰め公演は1回カウント。
 のべ本数で100本とする。
こうなると、月平均8~9本見ると達成出来る計算です。
 そう、計算上は。
 最初はそうする予定だったのですけど普通に計算通りにいかないものなのは追々述べるのでまず1月から。
1月は10本。

1月

だいたい良かった順に触れていきます。敬称略
リストは、2017年と同じように、
☆が、見れて良かった!、◎=とても良い、◯=良い、△=いまいち、✕=合わない・どうかと思う
みたいな分類です。


まず、「近松心中物語」
いのうえひでのり演出で、堤真一な組み合わせ的には今ひとたびの修羅、な路線かなあと思ったら蓋を開けたら、吉原御免状を彷彿とさせるド派手なスペクタクル演出爆発のオープニング。それだけでもう走り出したいくらいたまらないというか、いのうえ演出ありがとうという気持ちでお腹いっぱいなんですけど、そこから勿論メインの堤・宮沢ラインの物語に対する、成志・小池ラインの男女の物語があることで、この物語を現代へ落とし込む効果が上手くいっていて見ていてとても腑に落ちて良かった。
現代にとって心中は、後者の方がリアルなんだよなあとも。
生き残っちゃう成志さんのラストで終わるのも、ものすごく演出家らしい。

「高架線」
小田尚稔の舞台が最近評判をみて行きたいと思ってたタイミングで選んだのがこの作品だったんですが、結果的に、己の趣味と相性の良いものを引き当てた感じがしてすごく良かった。原作の滝口悠生の小説は読んでいないけれど、これも好きそうだ。舞台設定が個人的に生活圏内なのもあったが、そこで語られた人々自体に身近さがあった。土地、と生活、あとなんだかんだ生きてていいなあと見終わって思えた。舞台上の小道具の使い方がとても面白かった。ビール渡されたりされてたお客さんもいたような。
初めて行った三鷹SCOOL、本当に小さな空間だったけれどこれを上演するのには適した空間だと感じた。


年始あたりの時間ある時に関東荒野のぐるぐる劇場には行っとこうと予定を組んだらしく、season月を上弦下弦まとめてみていますね。総じて、シーズンを締めくくる良い出来でした。
下弦は、これまでの天魔王のエッセンス全部乗せで、もう人の表情筋ではないのではと広く言われたと聞く鈴木拡樹、歴代捨之介の中でも放っておけないランキング鳥と同率1位の宮野捨が出色な面と、ベテランの贋鉄斎の中村まことの狂気さ。歴代贋鉄斎の中でも目がイっていて圧が強い。
上弦は、最初は「大丈夫なのか」と少し心配でもあった福士捨之介がとてもとても好きな捨之介で、めちゃくちゃ格好良かったので、全てを許せた。好きだ。更に好きだったのが須賀兵庫で、この兵庫になら全てを預けたい最強に好みの兵庫だったので、堪らなかった。しかも裏切り枠が渡京の粟根まことだしな…。ということで(?)どちらかというと、私は上弦の方が若干贔屓目です。若さのポテンシャルにやられた。

「池袋ウエストゲートパークSONG&DANCE」
ものすごくギャンブル公演だなあ~はずれたらこわい!と思いながらチケットを取ったんですが杞憂。良かった。脚本が柴幸男で、演出・美術が杉原邦生なの、チラシ見た瞬間目を疑ったんですよ当初。
SONGとDANCEだとダンスの方がインパクト強かった。こう、構成するし見せるんだと贅沢な時間だった。

「私の家族」
サファリPの方で「悪童日記」を見て、山口茜の作品をもっと見たいと思って見に行った。共同体への執着と支配が怖い。特に怖かったのは、例えば男と女がいたならば、結ばれればよいというかなり一方的な思想だった。本当に結びつきが強かった関係が男-男、女-女間だと受け取ったのに、それはその思想により引き裂かれていったように見えた。これは計算されたものだったのか、もしそうだったとしたら行き届いた作品だと思う。

「舞台モブサイコ100」は、ビジュアルとか大まかなものは良かったんだけでもギャグパートのくどさがあってそれがあまり受けつけなかったのが残念。「黒蜥蜴」も私、もしかして三島戯曲が受け付けないのかも…と思った。明智の井上芳雄はめちゃくちゃ良かったのになあ。
あと、人の勧めで観に行ったので、それで言うのは気が引けるのだけど東京×こふく劇場「島」は、観てるのがとても辛かった。話にしても見せ方にしても相当受け入れがたい何かがあったんだと思うんだけど、上を見上げて照明を見ている時間の方が多かった覚えがある…。多分、向かなかったんだろうな。

1月は計10本。次回は怒涛の2月へ。

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