ワタナベカズヨ

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桜が咲いてくれた日

桜咲く日、旦那君は転院しました。 治療が終わり、リハビリをするためです。 今年の花見は車中からでした。 「桜が咲いてるねー」 「俺は桜はあんまり好きやないでなー」 「あー、そうやったね」 「退院したら、旅行どこ行く?」 「それは海外?国内?」 「じゃあ、まずは海外ではどこ?」 「前はマレーシアとかシンガポールとか思っとったけど、今はハワイ一択やな」 「リゾート好きやもんね。じゃあ国内は?」 「この前テレビで横浜やっとった。今、横浜が熱いんやと」 「退院したらさ、あそこ

    • 感謝と水前寺清子

      一日一歩 三日で三歩 三歩進んで二歩下がる〜 と、チーターが歌っていたように、 幸せは歩いて来ない。 なかなかスムーズにはいかない。 特に最近の私には、胸をググーッと地面に押し付けられるような苦しい出来事がやってくる。 もういいかなー、と思ったら、 また良くないことが起きて、 我慢我慢の日が続く。 旦那君に関することですが。 入院中にコロナにかかる、という…。 お医者さんはそんなに深刻でなく、 それでも、心配は心配で、 また、苦しかった日々へと逆戻りか、と…。

      • よくやったものだ

        苦しい病院シリーズは続く。 書いて身体から膿を出すように、あの日々を書く。 夫が倒れた12月末、 父っ子の娘は中3。 受験の追い込み真っ只中。 大好きな父が倒れて、塞ぎ込んでしまうのではないかという心配が頭をよぎった。 真夜中の緊急手術の日、 待合室で寝たものの熟睡など出来た訳もないが 私は中学生の娘と次男を家に戻って仮眠の後、長男に車で送迎させることで、昼から学校に行かせた。 無理矢理にでも。 「可哀想な子」にはさせない。 私の勝手な意地だ。 私は中1で父を亡くし

        • 黙ってそこにおりなさい

          M-1が終わって、さぁ寝るか、と思った矢先に携帯が鳴った。 「片方の瞳孔が開いているので病院へ」という電話。 3人の子どもを乗せて、 風呂上がりだったので、冷静だが何だか分からないけれど化粧道具を持って、 車で病院に向かった。 後から息子に聞くと「あんな危ない運転初めて乗った…」とのこと。 途中でかかってきた医師の電話で、 これから緊急手術をすると聞く。 「生命だけは助けてください」という、ドラマでしか聞いたことのない言葉を私は言っていた。 手術ができるんだ、とほっと

        桜が咲いてくれた日

          walea

          【walea(ワレア)】は、ハワイ語で、 穏やかさ、という意味。 昔からケンカをよくする私達夫婦であったが、新婚旅行で行ったハワイで指輪を買う際、この言葉を選んで刻んだ。 同い年。 寅年。 O型。 長男長女。 理系と文系。 似ている所も違う所も、 全てがケンカが多い理由におもえた。 waleaからは程遠く…。 そんな私達も、 長い面会禁止期間が明けた昨日、今日、 病室でwaleaな時間を過ごしている。 久しぶりに交わす言葉。 何気ないやりとり。 時間に急かされない

          得たもの

          本当に、ほんとーに、 苦しかった日々が終わろうとしている。 12月の結婚記念日前日に倒れた旦那君の元に 1月17日まで毎日通い、 心細いながらも寄り添うことで何とか気持ちを繋いだ日々。 1月17日、いつものように病室に行くと、 「明日から面会できなくなるので」 と、看護師さんに告げられた。 毎日面会に来ることだけが、 暗い毎日に小さな希望を見せてくれていたし、 毎日少しでも話しかけたり身体をさすったりすることで、何とか力を尽くしたいと思っていた。 治したい、とい

          きょうだい

          私達夫婦には、3人の子どもがいる。 この春で、大学4年、高校1年、中学2年。 21歳、15歳、13歳。 長男と長女は6歳、 長男と次男は8歳違うのだから、 長男と下2人は、始終一緒に過ごす訳ではなかった。 それでも、 父が倒れ、長男が最も気遣ったのは、 弟と妹のことだった。 妹は父が大好きで、 中学生になると、休みの日には父が営むカフェを手伝いに行っていた。 「店が無くなるとキョーが心配や。」 長男が店をやることに決めたのは、 勿論父のためでもあるが、 何より妹を

          小さな春

          娘が中学を卒業した。 人生には、 旦那君が倒れるという嵐の様な日があれば、 不安に泣くシトシト降る雨の様な日もある。 かと思いきや、今日の様に娘の成長に感動の涙を流す幸福な日もある。 幸せと不幸せは同じだけやってくる。 そして、皆に、平等に。 自分だけが特別だと思ったら、 とんだ悲劇のヒロインごっこだ。 そして、旦那君にも小さな小さな春が来た。 小さな小さな変化だけれど。 旦那君にも、春が近づいている。

          苦しい2月が教えてくれたこと

          岐阜弁で言う所の「えらかった(苦しかった)」2月。 旦那君の仕上げの手術的なものがなされる筈が延期になった初旬。 延期になった上に、 コロナで面会ができず、 様子も分からず、ただただ病院からの連絡を待つ日々。 以前も書いたが、様子が知りたいと電話をしてもイマイチこちらの思いが伝わらず歯痒さと我慢の日々。 携帯が手放せず、頻繁に確認したり、 病院のホームページを「もしかしたら面会が解禁されているかも」と確認しては落胆し、 岐阜サーベイランスHPを「コロナの流行が収まって

          苦しい2月が教えてくれたこと

          救急車

          救急車を見るとドキドキする。 今までだって、勿論、サイレンを鳴らして走って来るのを見れば、大変だと道を開けた。 今は、サイレンを鳴らす救急車を見ると、あの日に記憶が引き戻される。 あの、訳の分からない恐ろしさと必死さが、 蘇ってくる。 今日は、別々の場所で、2台の救急車を見かけた。病気や怪我の方を乗せ、病院に向けて、出発する前の。 私はこれまで、自分が全く「子ども」だったことに気づいた。 命の瀬戸際に、 しがみつく程立ち合ったことなど、 一度も無かったのだから。

          自分が猫だったら、と考えてみる

          せっかちでカリカリ考えてしまう私は、 自分の思い通りにいかないことがあると、 クヨクヨ考える。 目標に向かって計画を立てて努力することはできる…いや、むしろ、大好物。 そうやって、高校入試も大学入試も就職もやってきたから。 でも、上手くいかないのが人生。いろんな「思うようにいかない出来事」に出会う。 例えば今。 コロナが流行っていて、入院中の旦那君に面会できない。 「面会できたら、あれもやってあげたい。これもやってあげたい…」と思っても何一つできない。 「なんで❗

          自分が猫だったら、と考えてみる

          辛いことがあった日は

          辛いことがあった日は、 いつか行きたい場所のことを考える。 フランスで美術館巡り。 私の現在生きるモチベーションは、 フランス🇫🇷で保たれている。 人と喋る。 うんうん聞いてくれるだけでいい。 本屋に行く。 ふらりふらりと歩くだけ。 Netflixを観る。 可哀想な登場人物に一時励まされる。 他愛のないテレビ番組を観る。 何にも考えなくて済む。 YouTubeで占いを観る。 次から次へと違う占い師で。 みんないいことしか言わない。 いいこと言えば観てくれるからか?

          辛いことがあった日は

          教育が面白くなってきた

          新学習指導要領のもと、 教育が面白くなってきた。 STEAM教育、そこで求められるのはデザイン思考。 カリキュラムマネジメント、教科横断的な学びの再構築。 読解力は、文章を読み解けれ良い訳じゃないのでは?目の前の事象から何を感じてどう読み解くか。 society5.0の時代はあらゆるものを繋いで新しい価値を創る。 知識偏重社会は終わりを迎え、個別最適化学習によって学びたいことを自分に適したスタイルで追究し、力をつけ、自分の考えを発信する。 今、学校が、教育の場が面

          教育が面白くなってきた

          欲するのはストーリー

          兎に角、映画ばかり観ている。 今年に入って16本。 初めは英語の勉強のつもりで観始めたのが、 今では英語そっちのけでストーリーにどっぷり浸りながら観てしまっている。 『ホリデイ』『マイインターン』の可愛いストーリーから始まり、『グレイテストショーマン』や『ララランド』のミュージカルを経由し、『オーシャンズシリーズ』を制覇して、昔観たトムクルーズの『ザ・エージェント』からの、今は『ミッションインポッシブルシリーズ』にハマり中。 ※トムクルーズは、アクションじゃなくても最高だ

          欲するのはストーリー

          与えることは受けること

          北村薫の『ヴェネツィア便り』という短編集を読んだ。 中に、夫婦の話があった。 夫が定年退職し、働いている妻の送り迎えをする話。 その終わりの言葉。 与えることは受けること。 そして、受けることは与えること。 「私がこれだけやってるのに、あなたは何にもやってくれない。」 ということではないのだ。 私はあなたで、あなたは私。 あなたの喜びは私の喜びであり、 私の喜びも、また、あなたの喜び。 これは、夫婦の間の話だけではあるまい。 人と人は繋がっているのだと考えれば、

          与えることは受けること

          挑戦的自粛のススメ

          思い立ったが元旦、英語の勉強を始め、 その一環で洋画を見始めた。 大好きなハッピーエンドモノ『ホリデイ』 『ホリデイ』についてはまたじっくり綴りたいと思うが(あんな可愛い話は無いっしょ!)、ふと気付いたことがある。 私は最近洋画をトンと観なくなった。 コロナ自粛でステイホームとなっても、観るのはジャパンメイドのドラマや映画ばかり。 コロナ自粛でメンタルが「THE⭐︎内向き」に、なっていたんだな…ドラマや映画の他には癒し系イケメン料理家コウケンテツのレシピ動画や日本人ア

          挑戦的自粛のススメ