[小説 祭りのあと(8)]十一月のこと~嫁入り箪笥(その1)~
「ズンズンズンズンズズズズ、ズンズンズンズンズズズズ、プリリーウーメン…」
最近背中が痛い僕は、アーケードに流れる「オー!プリティー・ウーマン」のメロディに合わせて、背筋を伸ばして床の隙間を歩き回って、デタラメ英語を口走りつつ運動不足解消がてらに乗りまくっていた。
ここ数日はお得意様からのお呼びがなく、店番の日々だ。
暇な時間は毎曜日テーマが変わるアーケードのBGMに聞き入り、時に曲に乗って踊っているのだ。
母には恥ずかしいから止めろと言われる。ガラス張りの正面から