“好きなこと”が自分を救ってくれる。
いなか塾に来た大学生、特に就活真っ只中の学生さんからよく相談されたのが、
「自分はどんな仕事に向いているのか?そもそも自分はどんな仕事が好きなのか?わからないんです。」
そんなセリフを聞いた瞬間、
「今までそんな大事なことを考えずに生きてきたのか?(生きてこれたのか?)」と思いましたけど、、、ちょっと待てよ。
自分もその年頃の頃は、そんなもんだったな〜〜って思い出したのです。(笑)
ボクの最初の職業は魚屋でした。
高校の卒業式の翌る日に後先考えず家出したもんだから、手っ取り早く稼げる仕事は、
最低賃金が500円台後半だった当時に1000円も出してくれた京都中央卸売場の配達員の仕事でした。
本当は、服が魚臭くなるのが嫌だったから八百屋で働きたかったんですが、魚問屋でしか募集がなかったから仕方なく。。。
好きでも無い、向いているかどうかも分からなかったけれど、背に腹は変えられなかった。
初出勤日にいきなり遅刻してね。
朝5:20〜セリが始まるから、5:00には来い!と親方に言われていたんですけど起きれなくて、、、市場に着いたらもう5:30を過ぎていたので焦りました。
「はよ来い!」と猫車を足早に引く教育係のおじさんの後ろを追っかけて着いたのが、学校の運動場がいくつも入るような、だだっ広い競り場は人の背丈以上に積まれたトロ箱で埋め尽くされ、その周りには見るからに柄の悪そうなおっちゃん達が群がっていました。
生まれて初めて、その殺気に満ちた異様な光景を見た瞬間に稲妻が体の中を走り抜けたような衝撃を受け、
「この道のプロになりたい!」
そう思ったんです。
ボクの場合は、参考にならないかも知れませんがー、
好きかどうか?向いているかどうか?なんて事よりも、まずは思い切ってその世界に飛び込めばいいんですよ。
面白そう!かつこ良さそう!異性にモテそう!給料が高いから!
動機なんて何でもいいんですよ。(笑)
大事なのは、続けること。
どんな仕事も楽しい事よりも辛いことの圧倒的に多いです。
あのイチロー選手だって「プロ野球選手時代、野球が面白いと感じたことは一度もない!」と言ってたくらいですから。
続けていれば、その内なんとなく板についてくるもんです。
諦めず、腐らず続けていたら、きっとどこかで見てくれている人が現れて来るもんです。
だから、辛くて挫けそうになった時に、
「アレがあるから、もう少しがんばってみよう!」って切り替えられる“好きなこと”が必要になってくると思うんです。
読書、スポーツ、登山、カメラ、飲み会、、、これも何でもいい!
仕事を忘れて思いっ切り没頭できる時間は、本来の自分を取り戻せる時間ですから。
ボクの場合は、家庭菜園が現実逃避できる隠れ家的存在でした。
久多に移住する前、
今住んでるところから少し離れたところに畑を借りて、毎週末、片道2時間ほどかけて
通い百姓をしてました。
あの頃は「スーパーマーケット戦国時代」などと呼ばれ、生き残りをかけた最前線で「価格破壊」の応酬を繰り広げる毎日に疲弊していたボクは週に一度広々とした誰も居ない畑の真ん中で野菜たちのお世話をしている時間にどれだけ心が救われたか〜〜。
作業を終え畑を後にする時「また来週来るしな〜〜」って、手を振って気持ち良く現実に戻って行けました。
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